医療機器

2品目の承認・一変を報告

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は輸液配合剤「エルネオパ」など2品目を承認し、「セレキシパグ」「パチシラン」の2件をオーファン指定することも了承しました。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は5月27日、大塚製薬工場の輸液配合剤「エルネオパ」など2品目の承認と一部変更承認を報告した。

報告品目

 

ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL(アッヴィ):有効成分のアダリムマブ(遺伝子組み換え)を含有し、クローン病への効果減弱時の増量に関する新用量を追加する。日本人クローン病患者の40mg隔週投与中の効果減弱例を対象に、1回80mgまで増量できるようになった。

 

再審査期間はなし。海外で効果減弱例への増量については、40mg週1回投与が82カ国で承認されているが、80mg隔週投与への増量が承認されている国・地域はない。

 

ルネオパNF1号輸液、同2号(大塚製薬工場):完全静脈栄養(TPN)製剤。経口・経腸管栄養補給が不能または不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分、電解質、カロリー、アミノ酸、ビタミンなどの補給を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。

 

用法・用量は、NF1号は1日2000mLの開始液または維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。NF2号は、1日2000mLの維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴静注する。

 

再審査期間はなし。海外承認もない。

2件をオーファン指定

 

またこの日、同部会は、日本新薬のセレキシパグ、ジェンザイム・ジャパンのパチシランの2件を希少疾病医薬品に指定することを了承した。

 

セレキシパグ(日本新薬):予定する効能・効果は、外科的治療不適または外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症。同疾患は、器質化した血栓により、肺静脈が慢性的に閉塞することで肺静脈に異常を来し、肺動脈圧などの上昇をもたらす予後不良の疾患で、指定難病に指定されている。

 

現在、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に有効性、安全性が確認されている薬剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤であるリオシグアトのみ。セレキシパグは、PGI2受容体アゴニストで、リオシグアトと作用機序が異なることから、リオシグアトで効果不十分な患者への新たな併用療法を可能にすることが期待でき、医療上の必要性が高いと判断した。

 

日本では、残存・再発の慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者を対象とした第II相試験が実施中で、国内第III相試験も計画中であることから、開発の可能性は高いと判断した。

 

パチシラン(ジェンザイム・ジャパン):予定する効能・効果は、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー。同疾患は、指定難病の全身性アミロイドーシスの一種で、トランスサイレチン由来のアミロイドが末梢神経や各種臓器に沈着することにより発症する致死性の遺伝性疾患。

 

わが国では、同疾患の治療法として肝移植が実施されているが、移植が適応できる患者は限られている。また、同疾患の末梢神経障害の進行抑制の効能・効果でタファミジスメグルミンが承認されているが、症状の進行を完全に抑えることはできず、現時点では有効な治療薬は存在しない。

 

パチシランは、トランスサイレチン遺伝子を標的とした核酸医薬で、既存薬と作用機序が異なるため、医療上の必要性が高いと判断した。

 

海外第II相試験では、同疾患患者で末梢神経障害の進行抑制を示唆する結果が得られており、この結果を検証するための日本を含めた国際第III相試験が進行中であることから、開発の可能性は高いと判断した。

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出典:薬事日報

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