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薬剤師国試、難易度はやや低下~相対基準で合格率に注目か

薬+読 編集部からのコメント

薬剤師国試予備校大手「医学アカデミー薬学ゼミナール」が第106回薬剤師国家試験(2月20~21日)の全受験者対象に自己採点を実施した結果、平均総合正答率は68.3%で前回の67.7%とほぼ同程度となりました。今回の国家試験は平均点と標準偏差を用いて合格者を決定する完全相対基準に変更となって初の実施。薬ゼミでは、「第105回と同じ合格ラインで算出するならば、新卒入力者の87.2%、既卒入力者を含めると約63.8%が相当する」と分析。平均総合正答率は前回より約0.6ポイント高く、難易度は第104回に比べるて若干高く、前回(105回)よりもわずかに低い国試となった模様てす。

2月20、21日に実施された第106回薬剤師国家試験で、薬剤師国試予備校大手「医学アカデミー薬学ゼミナール」が全受験者を対象に自己採点を実施した結果、平均総合正答率は68.3%で前回の67.7%とほぼ同程度になった。合格基準が従来の総得点率65%以上という絶対基準から、平均点と標準偏差を用いて合格者を決定する相対基準に変更となり、初の競争試験として行われた。薬ゼミは、「第105回と同じ合格ラインで算出するならば、新卒入力者の87.2%、既卒入力者を含めると約63.8%が相当する」と分析。新卒と既卒の合格率がどうなるか注目が集まりそうだ。

 

薬ゼミ、自己採点調査

薬ゼミでは、第106回国試を約1万4000人が受験し、新卒受験者は約9100人と予想。薬ゼミ自己採点システムから1万1726人の入力情報をもとに、2月25日時点での集計を行ったところ、平均総合正答率は前回より約0.6ポイント高く、難易度はわずかに低い国試となった。第104回に比べると難易度は若干高かった。

 

第105回では補正を加えた合格ラインが61.7%(213点)となり、合格者は新卒で84.78%(7795人)、既卒を含めると69.58%(9958人)となった。

 

合格基準が相対基準のため合格ラインは不明だが、前回と同じ合格ラインで算出するならば、第106回の新卒入力者は87.2%、既卒入力者を含めると約63.8%に相当するとしている。

 

必須問題で各科目の最低点数が30%を満たさず足切りにかかる受験者は、必須問題が得点しやすかったため、少ないと見られている。集計には、一定数以上選択した場合に自動的に不合格となる禁忌肢については考慮していない。

 

2015年4月にスタートした「改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム」による薬学教育で学んだ薬学生に対する初の国試となり、改訂コアカリに基づき新たに策定された薬剤師国試出題基準から出題され、新傾向の問題も多かった。

 

必須問題は第105回よりやや易化し、科目によって差があるものの、全体として「平易」となった。平均正答率は81.9%と前回より1.9ポイント高かった。科目別で見ると、前回は物理など正答率60%を割り込んだ科目があったが、第106回国試では全科目が60%を超えていた。図表、グラフを用いた問題が多くの科目で出題され、新型コロナウイルス感染症を意識した出題もあった。

 

理論問題は例年通り難しかったが、全体としての難易度は「中等」で、薬剤は「難」、物理・化学・生物は「やや難」だった。平均正答率は59.3%と前回の60.5%に比べてわずかに難化したものの、ほぼ変わらなかった。

 

物理・化学・生物は46.7%と、例年同様に難易度が高い傾向が続いている。薬理、病態・治療による2連問が4題出題され、改訂コアカリで統一された科目間のつながりを考えさせる問題もあった。

 

実践問題は科目による差はあるが、全体としては前回より少し難易度が低く、「中等」となった。平均正答率66.5%は前回より1.2ポイント高かった。科目別では物理、化学、生物、衛生、薬剤で60%を下回った。

 

第106回国試は、新出題基準や改訂コアカリ、実務実習ガイドラインからの出題が目立った。

 

木暮喜久子学長は、「科目の壁を超えた連問など総合的な力を必要とする問題が増加し、臨床現場で体験した実務実習の成果を問う問題が継続して出題された。チーム医療やかかりつけ薬剤師、処方提案など薬剤師の職能を発揮するための知識や判断力が求められていることがうかがえる内容もあった」と総評している。

 

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出典:薬事日報

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