薬剤師会

8割超の薬局で納入停滞~後発品回収影響が深刻化【東京都薬剤師会】

薬+読 編集部からのコメント

後発品メーカーの製品回収や操業停止による製品の流通不足が薬局業務に深刻な影響を及ぼしています。東京都薬剤師会が実施した調査(※6月11~18日までに都薬ホームページ上で会員薬局の管理薬剤師を対象に実施)によりますと、後発品の納入が滞っている薬局が8割超に上ることが明らかになりました。薬局で採用の後発品について卸の納入状況を聞いたところ、「製品が流通していないため、発注ができない場合が多くある」が17%、「納品が滞り、調剤業務に影響が出る場合がある」が65%となり、全体の82%が「納品が滞っている」と回答しています。

都薬調査で判明

後発品の納入が滞っている薬局が8割超に上ることが、東京都薬剤師会が実施した調査で明らかになった。「製品が流通していないため発注ができない場合が多くある」と回答した薬局は2割程度あり、そのうち半数強は10品目以上発注ができていないことが判明。後発品メーカーの製品回収や操業停止による製品の流通不足が薬局業務に深刻な影響を及ぼしている状況だ。

 

調査は、11~18日までに都薬ホームページ上で会員薬局の管理薬剤師を対象に実施し、回答数が1000件に達した17日時点の途中経過での集計結果を公表した。

 

管理薬剤師880人、薬局開設者113人の993人を対象に、薬局で採用している後発品について卸の納入状況を聞いたところ、「製品が流通していないため、発注ができない場合が多くある」が17%、「納品が滞り、調剤業務に影響が出る場合がある」が65%となり、全体の82%が「納品が滞っている」と回答した。

 

「希望した発注数通りではないが、調剤業務に影響が出ない範囲で納入されている」は17%、「希望した後発品が発注数通りに納品されている」はわずか1%にとどまった。

 

「製品が流通していないため発注ができない場合が多くある」と回答した薬局で発注ができない品目数を聞いたところ、「3品目超」が86%に上り、「10~19品目」が50薬局と最も多かった。

 

対処方法としては「先発品に変更した(する予定)」が多く、「代替品がないので処方医と協議して同種同効薬に変更する場合がある」が続いた。

 

患者の反応を聞いたところ、医薬品を変更することに多くの患者は同意していたが、製品が変わることへの不安や、後発品の使用を促進する制度への不信感を訴えられたケースも多く見られていた。

 

製品回収に伴う代替品への変更について、情報の入手先は「対象品目を購入している医薬品卸からの提案」が50%と最多となったが、「関連する情報を入手できず自局で対応策を立てた」が34%と情報提供が十分でない現状が浮き彫りになった。

 

回収・出荷停止・出荷調整を行った企業が製造販売する医薬品については「採用実績はあるが今後再採用しない」が54%と強い拒否反応が示された。「当該企業の改善状況により再採用することも検討する」は34%となった。

 

採用する条件は「製造工程の遵守、品質管理、安全性、安定供給を担保できている明確な理由が明文化されていること」「当該企業しかない剤形・用量等で代替できない場合」などが挙げられた。

 

一方、後発品の使用促進にも影響が見られている。5月の後発品使用率が1月に比べ「変わらない」と回答した薬局が52%、「上がっている」が12%となった一方、「下がっている」との回答は36%に上った。下落率では「2%」が最多で、8割以上は「0~5%」の範囲だった。

 

 

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出典:薬事日報

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