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武田の抗うつ薬4%下げ~費用対評価で価格調整

薬+読 編集部からのコメント

武田薬品の抗うつ薬「トリンテリックス錠」(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)が、中央社会保険医療協議会の総会(8月4日)において、費用対効果評価に基づく価格調整後薬価を現行薬価から約4%引き下げることを了承されました。11月1日から適用されます。この制度は市場規模が著しく大きいか著しく単価が高い医薬品・医療機器を対象にいったん保険収載した上で価格調整に用いるもの。類似薬効比較方式Iで算定され、有用性系加算が適用されているトリンテリックスは、市場規模が100億円以上に該当し、費用対効果評価の対象となった形です。

中央社会保険医療協議会は4日の総会で、武田薬品の抗うつ薬「トリンテリックス錠」(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)の費用対効果評価に基づく価格調整後薬価を現行薬価から約4%引き下げることを了承した。10mg錠1錠の調整後薬価は現行薬価の168.90円から161.70円、20mg錠1錠は253.40円から242.50円に引き下げる。11月1日から適用される。

 

同制度は、市場規模が著しく大きいか著しく単価が高い医薬品・医療機器を対象にいったん保険収載した上で価格調整に用いるもの。類似薬効比較方式Iで算定され有用性系加算が適用されているトリンテリックスは、市場規模が100億円以上に該当し、費用対効果評価の対象となった。

 

中等度以上のうつ病・うつ状態を評価対象とし、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のミルナシプランと比べて費用や効果がどれだけ増加するか分析した結果、「費用増加」を示し、現行薬価から約4%の引き下げを行うことになった。

 

一方、小野薬品の慢性心不全治療薬「コララン錠」については、費用対効果評価結果で有効性加算等の価格調整係数が1.0を示したため、価格調整を行わないことが了承された。2019年の運用開始後、費用対効果評価が行われた医薬品で価格調整の「変更なし」は初となる。

 

それに伴いコラランの類似品目であるノバルティスファーマの慢性心不全治療薬「エンレスト錠」の薬価も現行から変更はない。

 

抗癌剤「オフェブ」再算定で引き下げ

 

また、この日の総会では日本ベーリンガーインゲルハイムの抗癌剤「オフェブカプセル100mg、同150mg」(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)について市場拡大再算定の要件を満たしたことから、現行薬価から約11%引き下げることを了承した。100mg1カプセルは4440.80円から3968.90円、150mg1カプセルが6676.40円から5953.50円となる。11月1日から改定薬価を適用する。

 

市場拡大再算定品目は、効能変更等が承認された既収載品、2年度目の予想販売額が一定額を超える既収載品について、一定規模以上の市場拡大があった場合、年4回の新薬収載の機会を活用して薬価を見直すことになっている。

 

今回、オフェブカプセルについて3月分のNDBデータに基づく検討を行ったところ、年間販売額が350億円かつ基準年間販売額の2倍超の要件に該当すると判断した。

 

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出典:薬事日報

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