修復パッチを承認申請~心臓・血管で自己組織化【帝人】
帝人は27日、心臓組織の一部が欠損するなどの先天的心疾患の治療に用いる医療材料として生地メーカーの福井経編興業、大阪医科薬科大学と共同開発してきた「心・血管修復パッチOFT-G1」を承認申請したと発表した。今年度中の上市を目指す。
承認申請は、帝人メディカルテクノロジーが行った。同材料は、手術によって心臓や血管に縫着(写真㊧)された後に、まずゼラチン膜が、次に吸収性の糸が徐々に分解され、自己組織化される。
既存材料は、体内での長期経過中に異物反応や石灰化によって材料が劣化し、使用部位に狭窄等が生じるなどの循環障害に至る場合には再手術による材料交換が必要となっていたが、同材料は自己組織化することで再手術のリスクを下げる。
大阪医薬大のアイデアと福井経編興業の伝統的な繊維産業の技術を融合させて具現化した。
研究開発では、2014年からは経済産業省、17年度からは日本医療研究開発機構(AMED)による合計6年間の医工連携事業化推進事業として支援を受けてきた。18年4月には、早期実用化を後押しする厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されていた。
今後の展開について同社は「市販後には、わが国での『OFT-G1』を用いる手術症例の集積と解析からの有効性と安全性の確立を図るだけでなく、世界でも類を見ない技術を用いた『OFT-G1』の海外への事業展開、そしてその要素技術を応用する新製品ラインアップの拡大に取り組んでいく」としている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
3月27日、帝人が「心・血管修復パッチOFT-G1」を承認申請したことを発表。これは心臓組織の一部が欠損するなどの先天的心疾患の治療に用いる医療材料として生地メーカーの福井経編興業、大阪医科薬科大学と共同開発してきたものです。手術によって心臓や血管に縫着された後に、まずゼラチン膜が、次に吸収性の糸が徐々に分解され、自己組織化されます。