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改定薬価基準を告示~新薬加算約8割が薬価維持 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が、4月1日付で実施する2024年度改定薬価基準を官報に告示しました。ドラッグラグ・ロス解消に向けて要件等が見直された新薬創出・適応外薬解消等促進加算は、企業指標の撤廃により対象品目の約8割に相当する314成分506品目の薬価が維持される見通しです。

厚生労働省は5日、4月1日付で実施する2024年度改定薬価基準を官報に告示した。ドラッグラグ・ロス解消に向けて要件等の見直しが行われた新薬創出・適応外薬解消等促進加算は、企業指標の撤廃により対象品目となる372成分623品目のうち約8割に相当する314成分506品目の薬価が維持される見通し。対象品目のうち薬価が維持された品目割合が約6割にとどまった前回22年度改定から大幅に拡大した。一方、後発品の安定供給が確保できる企業で、現行の後発品改定時の価格帯集約(原則3価格帯)とは別に該当品目のみを集約して評価するA区分の企業には40社が選ばれた。

今回告示された薬価基準の収載医薬品は、内用薬が7264品目、注射薬が3567品目、外用薬が2060品目、歯科用薬剤が26品目の計1万2917品目となった。

 

後発品に関しては、安定供給実現に向け、安定供給が確保できる企業の評価指標を試行的に導入。「最初の後発品収載から5年以内」「安定確保医薬品AまたはBに該当する」医薬品のうち、一定の適用条件に該当する品目は「A区分」に位置づけられた。

 

A区分の企業数は40社で、A区分のために別集約されたのは78成分124品目。内訳は、後発品収載5年以内が74成分117品目、安定確保医薬品A・Bが4成分7品目だった。7品目が4価格帯となった。

 

ドラッグラグ・ロス解消に向けて、新薬創出等加算では、企業指標の見直しや小児効能等に関する品目要件の追加などを実施。新薬創出等加算の対象となったのは314成分506品目となり、加算額は約314億円となった。

 

加算対象品目を持つ企業は、ノバルティスファーマ24成分38品目、サノフィ19成分32品目、ヤンセンファーマ18成分28品目、武田薬品18成分31品目、ファイザー16成分24品目、中外製薬13成分21品目の順で、外資系企業が上位を占める傾向は前回改定と同様だった。

 

一方で、これまで受けた新薬創出等加算の累積額控除対象は79成分149品目で約885億円と新薬創出等加算の加算額を大きく上回った。

 

基礎的医薬品は、現行要件である収載から25年以上経過から15年以上に短縮し、411成分1339品目が対象となった。このうち、収載年の要件を15年に短縮したことで基礎的医薬品に加わったのは40成分142品目だった。

 

安定確保医薬品に該当する基礎的医薬品は13成分113品目。このうち、収載年の要件見直しにより加わったのは5成分29品目だった。

 

不採算品再算定については、安定供給問題や近年の急激な原材料費高騰を踏まえ、企業から希望のあった品目に特例的に適用。薬価の引き上げまたは維持が行われたのは、699成分1911品目だった。

 

また、昨年9月の薬価調査結果も示され、後発品数量シェアは80.2%と22年薬価調査から1.2ポイント上昇し、8割を突破した。後発品への置き換えによる医療費適正効果額は1兆6113億円、バイオ後続品への置き換えで911億円の削減効果があった。バイオ先行品に占めるバイオ後続品の金額割合は34.3%だった。

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出典:薬事日報

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