医療

小林製薬「紅麹」で2人死亡~大阪市が3製品の回収命令

薬+読 編集部からのコメント

小林製薬の機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」に由来する健康被害が、3月26日時点で死亡者2人、入院患者106人まで拡大。厚生労働省は食品衛生法違反に該当すると判断し、小林製薬の本社がある大阪市が紅麹関連3製品の回収命令を出しました。

小林製薬が販売する紅麹を含む機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」に由来する健康被害が26日時点で死亡者2人、入院患者が106人まで拡大している。厚生労働省は同社から聴取した結果、紅麹関連3製品の摂取者で多数の健康被害が報告されていることから、食品衛生法違反に該当すると判断。同社本社のある大阪市に通知を発出し、27日に大阪市は3製品の回収命令を出した。健康被害との因果関係は明らかになっていないが、厚労省は薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会のもとに調査会を設置し、今後の対応策を検討する。消費者庁は、届出が行われている機能性表示食品について緊急点検を行う方向だ。

同社への患者相談は、約3000件に上ることが報告されている。武見敬三厚労相は26日の閣議後会見で、「小林製薬が原因究明に当たって様々な調査を行っている間に、行政に情報提供などを行わなかったことについては遺憾であると言わざるを得ない」と同社の対応を非難した。

 

厚労省と消費者庁は22日、同社に対して速やかに情報提供するよう指示すると共に、全国の自治体に健康被害情報を集めるよう指示。26日には食品衛生法への対応を検討するため、同社にヒアリングを行った。

 

その結果によると、健康被害は昨年9月以降に製造された「紅麹コレステヘルプ」を使用した人に発症が偏っていることが判明。死亡した2例も同品を使用しており、1人は急性腎不全、もう1人は検死の結果、腎臓にダメージがあることが分かった。

 

厚労省は、食品衛生法第6条第2号(有毒または有害な物質を含む食品の販売等の禁止)の違反に該当するものとして大阪市に通知を発出し、大阪市がさらなる被害拡大防止を図るため、同品の回収を命じた。今後、同社が健康被害との因果関係を調査していくが、厚労省も国立医薬品食品衛生研究所と連携し、事業者から提供されるデータに基づき必要な措置を検討する。

 

同社の紅麹を原料とする他社の健康食品も、自主回収に追い込まれている。山本漢方製薬は「内脂ブロッカー180粒」、富山薬品は「ルーレンゴールド」「レッダームDX」を自主回収した。いずれも健康被害は確認されていないという。

 

  紅麹原料製品170社以上に

政府は27日に「紅麹使用製品への対応に関する関係省庁連絡会議」を開催した。議長には厚労省健康・生活衛生局長、構成員には消費者庁次長、国税庁次長、農林水産省消費・安全局長が加わり、関係省庁が情報共有しながら紅麹使用製品に関する対応を検討していく。

 

厚労省は、健康被害が報告されていない同社の紅麹を原料とする製品が170社以上に上る状況を踏まえ、薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会のもとに調査会を設置することを報告した。今後の対応については専門家の意見を聞きながら検討する。

 

一方、機能性表示食品を所管する消費者庁は同社に対し、4月上旬までに機能性表示食品の科学的根拠の再検証を報告するよう求めた。同社からは機能性表示食品の届出を撤回する申し出を受け取っていることも明らかにした。

 

機能性表示食品は約7000点に上っており、届出事業者に対しては健康被害の情報の有無や適切な情報収集が行われているかを点検する方針。今後どのように確認作業を行うか検討を進める。

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出典:薬事日報

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