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パートナー妊娠事例報告~「レブラミド」投与男性患者 ブリストル・マイヤーズスクイブ

薬+読 編集部からのコメント

ブリストル・マイヤーズスクイブが、免疫調節薬の「レブラミド」(一般名:レナリドミド)を投与された男性患者のパートナーが妊娠した事例が確認されたことを、厚生労働省の検討会に報告。症例経過等から「胎児が曝露した可能性は非常に低い」としています。

ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)は23日、免疫調節薬の「レブラミド」(一般名:レナリドミド)を投与された男性患者のパートナーが妊娠した事例が確認されたことを、厚生労働省の検討会に報告した。検討会は、規定に対する患者の理解不足が原因とした一方、「症例経過などから、胎児が同剤に曝露した可能性は非常に低い」と結論づけた。

 

多発性骨髄腫等の治療に用いられるレナリドミド製剤とポマリドミド製剤に関しては、胎児において催奇形性を発現する可能性から、同剤の曝露防止に向けた投与手順を定めた薬剤配布プログラム「RevMate」(レブメイト)の遵守を医師や薬剤師、患者に要求。同剤を投与された男性患者には、治療中および休薬期間を含めた治療終了後4週間は性交渉を控えるよう求めている。

 

今回の事例では、患者の理解不足により、治療終了直後から避妊なしの性交渉が行われた。処方医は患者がレブメイトの規定を理解していると考え、避妊に関する理解度を詳細に確認していなかったが、症例経過等から「胎児が曝露した可能性は非常に低い」としている。

 

BMSは、今回の事例が確認されたことを厚労省、レナリドミド製剤等の製造販売業者で構成するレブメイト合同運営委員会に報告すると共に、14日付で公表した。同剤の投与患者のパートナーが妊娠した事例の報告は国内初で、厚労省は「重く受け止めるべき事案」と位置づけた。

 

合同運営委は、医師と薬剤師に、催奇形性と曝露防止の重要性を改めて認識し、男性患者に投与する際は妊孕性に関わらず、治療前に避妊に関する規定を説明することなどを求めた。

 

胎児への曝露に直接影響を与える重大な逸脱があった場合、処方医師、責任薬剤師、患者登録を取り消す可能性があることも合わせて周知した。

 

久保田潔構成員(日本医薬品安全性研究ユニット理事長)は「自分に妊孕性がないと患者は考えていたのではないか。化学療法を実施しても必ずしも妊孕性がゼロになるわけではないことを治療終了時に改めて確認することなども実施すべき」とした。

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出典:薬事日報

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