漢方

【田村元厚労相】漢方保険外し「させない」~日本の漢方守る議論必要

薬+読 編集部からのコメント

日本東洋医学会学術総会で、自民党の「日本の誇れる漢方を推進する議員連盟」会長を務める田村元厚労相が、市販品類似薬の自己負担引き上げなどの議論で毎回俎上に上がる医療用漢方製剤等の“保険外し”について「そんなことはさせない」と強く反対しました。

自民党の「日本の誇れる漢方を推進する議員連盟」会長を務める田村憲久元厚生労働相(写真)は1日、大阪市で開かれた日本東洋医学会学術総会で、市販品類似薬の自己負担引き上げなどの議論で毎回俎上に上がる医療用漢方製剤等の“保険外し”について「そんなことはさせない」と語気を強めて反対した。生薬原料の国産化や取引価格の問題にも言及し、「日本の漢方薬をどう守るかということを大きな視点で議論していかなければならない」との考えを示した。

この日のシンポジウムに登壇した田村氏は、医療用漢方製剤について、費用対効果も良く他薬剤の代替として活用できることや、癌の支持療法として使われ、様々な疾患に対応できる可能性があることを強調。

 

その上で、「漢方製剤を医療保険の対象から外すことで、どういうことが起きるか予想ができない。(日本の)東洋医学は、国際標準規格で中国とのせめぎ合いにも勝っていかないといけない。その中で、保険診療内にあることは大きなアドバンテージ。保険診療の中に残し、効果をしっかりと継承できる体制を作っていくことが大事」と訴えた。

 

国産生薬原料の生産に関する現状についても言及し、「生産者と需要者との摺り合わせができる機会を設ける事業を進めているが、10年程経過した現在も生産者が増えず、減っている。なかなか進んでいかない」との認識を語った。

 

現在、日本で使用される生薬原料の約80%は中国からの輸入で、国産の使用は10%ほどにとどまっていることから、田村氏は「日本でしっかり確保できる体制を作ることが議連の中でも一番大きな課題だ」と強調。政治としても支援を行っていく姿勢を示した。

 

また、国産の生薬原料取引価格は中国産より高値で推移しており、保険適用されている漢方製剤の現行薬価では、生薬によっては煎じ薬の調剤の場合、逆ザヤの現象も生じていることも踏まえ、「日本の漢方薬をどう守るかということを大きな視点で議論していかなければならない」との考えを示した。

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出典:薬事日報

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