処方せん

電子処方箋に機能追加案~アレルギー歴参照機能も 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が、電子処方箋管理サービスに併用注意や電子カルテ内にある薬剤アレルギー情報を用いたチェック機能を拡充する方向性を、電子処方箋等検討ワーキンググループに示しました。電子処方箋をめぐっては、2024年10月までに長期収載品の選定療養対応、2025年1月以降には院内処方対応の開発を進めており、2025年度以降には電子処方箋管理サービスでチェック機能を拡充する方針です。

厚生労働省は、電子処方箋管理サービスに併用注意や電子カルテ内にある薬剤アレルギー情報を用いたチェック機能を拡充する方向性を19日の電子処方箋等検討ワーキンググループに示した。既に実装されている重複投薬等チェックに併用注意のアラートが表示されるよう電子処方箋管理サービスを改修すると共に、来年4月に運用開始する電子カルテ情報共有サービスと突合させてアレルギー情報から薬剤を処方・調剤する場合に禁忌の判定が可能になるよう検討する。

 

電子処方箋をめぐっては、10月までに長期収載品の選定療養対応、来年1月以降には院内処方対応の開発を進めているが、来年度以降には電子処方箋管理サービスでチェック機能を拡充する。

 

電子処方箋管理サービスでは、処方・調剤しようとする薬剤を過去の薬剤と突合させ、成分情報をもとに重複投薬や併用禁忌の有無をチェックし、アラートを出すことができる機能を実装しているが、併用注意のチェック機能も対象に含めることを提案した。

 

また、来年4月から電子カルテ情報共有サービスが全国の医療機関・薬局で運用開始されるのに合わせ、電子カルテ内の3文書6情報(傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤アレルギー情報、検査情報、処方情報)と電子処方箋管理サービスを突合させた結果を医療機関・薬局に提供することで、処方や調剤・服薬指導の判断につなげていくことも開発の検討事項に挙げた。

 

ただ、チェック範囲が必要以上に増えるとアラートが多く表示され、業務に影響を及ぼす可能性もあることから、まず添付文書ベースで判定可能な「併用注意のチェック」「薬剤アレルギー情報を用いたチェック」を開発対象とする対応案を示した。

 

薬剤アレルギー情報以外の感染症情報、検査情報などのチェック項目を電子カルテシステムに実装するかはシステムベンダごとに選択可能とした。

 

電子カルテ共有サービスとの突合には、新垣淑仁構成員(保健医療福祉情報システム工業会事業企画推進副室長)が「(電子カルテに)新たなチェック項目を設ける場合にベンダが選択可能とあるが、何をもって選択すればいいかが分からないので標準的なものを示してほしい」と慎重な対応を求めた。

 

一方、長島公之構成員(日本医師会常任理事)は、薬局を中心に電子処方箋導入施設が2万4000軒近くまで達する中、医療機関の導入が少数にとどまる現状に強い憤りを示し、「電子処方箋を導入したいと思っている医療機関や薬局が円滑に導入できる環境を整備するのが国の責務。普及拡大策にその文章が一切ない。極めて遺憾」と不満を露わにした。

 

その要因として導入費用負担の問題を挙げ、都道府県による追加費用助成が18都府県に限られていることにも「絶対に47都道府県を目指してもらわないといけないので明確にすべき」と強く要求した。ベンダに対しても「国策として必要な支援をしっかりしていただく必要がある」と訴えた。

 

その上で「(電子処方箋の導入推進策が)ないことには今後の必要な施策などあり得ない。しっかりと自覚を持ってほしい」と最優先に取り組むよう促した。

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出典:薬事日報

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