医療

【日病薬 武田会長】薬学生の質担保に危機感~偏差値40以下に25大学

薬+読 編集部からのコメント

日本病院薬剤師会東北ブロック学術大会で講演した日病薬の武田会長は、学習塾大手が解析した2024年度の各大学の偏差値データにおいて、全国の81大学薬学部のうち、偏差値40以下が25大学あることを問題視し、薬学生の質担保に危機感を示しました。

日本病院薬剤師会の武田泰生会長(写真)は22日、八戸市内で開かれた日病薬東北ブロック学術大会で講演し、薬剤師の資質向上に向けては薬学教育の質保証だけではなく、薬学生の質担保が重要との認識を示した。学習塾大手が公表した2024年度各大学の偏差値の解析データから、「(大学薬学部・薬科大学で)偏差値40以下が25大学あり、そのうち6大学は偏差値が付かない状況にある。これはまさに入口の問題」と問題視した。「患者さんの命に関わる職種でありながら、薬剤師として職能を発揮してもらう形で資質を教育することが難しい状況が存在してしまっている。薬学部や薬学教育協議会と一緒になって早急に対策を立てていく必要がある」と語った。

武田氏は「薬剤師国家試験の合格率50%未満の大学が3割存在している」と現状を紹介し、合格率が低い大学が多い原因について、入学者選抜入試の段階で志願者の質が担保できていないと考察した。

 

学習塾大手が解析した大学医療系学部の偏差値データでは、「医学部は私立大学を含め偏差値が高いところに分布しているのに比べ、歯学部は偏差値が高いところから低いところまで広がっている傾向が見える」とした一方、薬学部については「医療職種の中でこれだけ偏差値に幅がある職種は薬学部だけ」と述べ、大学間のバラツキが大きいと指摘した。

 

具体的には、「81大学薬学部のうち、医学部に匹敵する偏差値が高い大学もある一方で、偏差値40以下の大学が25大学もある」としたほか、受験者数が少なく合否基準となる偏差値が設定できない“ボーダーフリー”と呼ばれる大学も6大学存在していたことも紹介した。

 

武田氏は、「非常に入りやすい大学が存在し、その数がどんどん増えている。患者さんの命に関わる職種でありながら、薬剤師として職能を発揮してもらう形でその人たちの資質を教育することが難しい状況が、薬学教育の世界で存在してしまっている」と述べ、早急に対応を講じるべきとの考えを示した。

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出典:薬事日報

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