【私立薬大協24年度調査】志願者数が2年連続減、新設大学は平均倍率上回る
大学間格差 広がる傾向に
日本私立薬科大学協会がまとめた2024年度の私立薬科大学(薬学部)の6年制と4年制の入学志願者数は、前年度比2981人減の7万1845人で2年連続の減少となった。募集数に対する入試倍率も前年度から低下した6.3倍で、新設の国際医療福祉大学成田薬学部と順天堂大学は共に平均倍率を上回った。一方、10倍以上の競争率となった大学は前年度から1校増の9校で、1.0倍を切る大学は4校に増加するなど大学間格差も広がっている格好だ(表参照)
調査は、私立薬大協加盟の62校を対象に実施したもの。6年制学科と4年制学科を合わせた今年度の定員は1万1316人で、共に6年制の国際医療福祉大成田薬学部、順天堂大の新設や、4大学の定員減等の影響で23年度と比べて140人増加した。6年制は1万0581人、4年制は735人。6年制では、東邦大が25人、神戸薬科大が10人定員を増やした一方、武庫川女子大が105人、北陸大と福山大が各40人、岩手医科大が30人定員を減らした。4年制では、武庫川女子大が定員を20人増やした。
志願者数は、一般が5万8453人(前年度6万1008人)、推薦が1万3392人(同1万3818人)と計7万1845人で、前年度から2981人減少と23年度の1799人減に続き2年連続で下回った。
入試倍率の詳細を見ると、6年制の一般は8.4倍(8.8倍)、推薦は2.9倍(3.1倍)、4年制は一般が13.0倍(13.2倍)、推薦が3.0倍(3.4倍)となった。
総定員数と総志願者数から割り出し、入試倍率が平均の約6.3倍を超えた人気のある大学は22大学となった一方、1.0倍未満は4大学に上り、それぞれ前年度から2校と3校増加した。国際医療福祉大成田薬学部は8.6倍、順天堂大は9.5倍となり、新設大学は共に平均競争倍率を上回った。
最も倍率が高かったのは前年度と同様に近畿大の27.8倍で、東京理科大17.2倍、武蔵野大15.8倍、立命館大14.6倍、星薬科大12.0倍、摂南大11.4倍、慶應義塾大10.8倍、福岡大10.4倍、武庫川女子大10.0倍と、10倍以上の競争率となった大学は前年度から1校増の9校に上った。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2024年度の私立薬科大学(薬学部)の6年制と4年制の入学志願者数は前年度比2981人減の7万1845人で、2年連続の減少となりました。募集数に対する入試倍率も前年度から低下した6.3倍で、大学間の格差も広がっている傾向にあります。