【3党協議】維新が後発品加算廃止要求~OTC類似薬はゼロ回答
自民党、公明党、日本維新の会の3党による社会保障に関する協議が3日に行われ、医療費削減に向け、維新が後発品調剤体制加算と一般名処方加算の廃止を求めた。与党側は、後発品調剤体制加算の廃止に難色を示したが、一般名処方加算については比較的柔軟な姿勢を示した。OTC類似薬の保険給付範囲見直しに関する与党側の反応は「ゼロ回答」として、次回協議でも議論する。

協議は非公開で行われ、維新の岩谷良平幹事長は協議後、「後発品のアクセス向上」「OTC類似薬の保険給付範囲見直し」をテーマに議論したことを明らかにした。
後発品に関しては、維新が薬局を対象とした後発品調剤体制加算、医療機関が算定する一般名処方加算について、それぞれ年間加算額が約1643億円と約287億円に上ることを指摘し、「後発品使用率が9割近くなっている状況下でこれらの加算は解消した方が良いのではないか」と提案した。
与党側からは、後発品調剤体制加算に関して「薬局経営を守るために必要な加算だ。薬局では残薬等を廃棄する場合があり、後発品の種類は多く廃棄分を補填する意味合いがあるため、簡単には廃止できない」と見直しに否定的な考えが示された。
他方で、一般名処方加算について、岩谷氏は「後発品調剤体制加算より(廃止が)あり得るニュアンスの回答と感じたが、加算の実態を知りたいということなので、厚生労働省から話を聞く必要がある」と説明。
「医師会をはじめとする様々な団体から献金を受けていることもあり、しがらみが改革を阻んでいると思わざるを得ない一面があった。しかし、全てに反対しているわけではないので、改革の姿勢を示すことを期待して協議を続けたい」と述べた。
一方、OTC類似薬の保険給付範囲見直しについて維新は、「医薬品のカテゴリーをどこまで捉えて見直し範囲に含めるか、全て見直すのか、一定の価格を設定するかなど、切り分け方によって金額が変動することを議論したい」と迫った。
与党側からは、「病院経営が厳しい中、様々な団体から厳しい声をもらっている。その中で政治的リスクとして踏み切るのは難しい」「子供の医療費に関して、現在より患者負担が増加するのはいかがなものか」など、消極的な意見が相次いだ。
岩谷氏は、「ゼロ回答の印象を受けた。そのような団体におもねって改革すべきでないとの考えのもと、現状維持か変えようとの考えなのかはっきりしてほしい」として、次回協議で与党側に見直しに対する態度を明確にするよう訴えた。
この日の協議では零売に関する言及はなく、次回協議も後発品とOTC類似薬の保険給付見直しがテーマとなる見通しだ。
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出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
自民党、公明党、日本維新の会の3党による社会保障に関する協議が行われ、日本維新の会が後発品調剤体制加算と一般名処方加算の廃止を求めました。OTC類似薬の保険給付範囲見直しに関する与党側の反応は「ゼロ回答」として、次回協議でも議論します。