米NIHも動物実験削減~FDAに追随し専門部署
米国国立衛生研究所(NIH)は4月24日(米国時間)、ヒトの毒性が予測可能となるようインビトロ評価、生体模倣システム(MPS)やAIなど先端的な技術を組み合わせて新たな安全性試験を考えていく「NAMs」(新しいアプローチや方法論)を推進し、動物実験を削減する方針を表明した。
NIH長官室内にNAMsの専門部署「ORVIA」を設置し、NIH全体の取り組みを調整することで研究ポートフォリオ全体にわたって非動物実験アプローチの開発、検証、利用拡大を図る。FDAが一部の抗体医薬品を対象に、動物実験を段階的に廃止するロードマップを公表したのに続くものとなる。
NIHは、ヒトをベースとした評価技術の開発を目指す。ヒトの肺を模倣した臓器チップシステムを用いることで薬物スクリーニングで新たなインビトロアプローチを提供する。
新たに設置する「ORVIA」は、複雑なヒトの生物学的システムや疾患経路、薬物相互作用をシミュレートする計算モデル、実臨床(リアルワールドデータ)などのヒトベースの化学の統合を目指す。非動物実験アプローチへの資金提供と研修を拡大し、研究者が非動物実験アプローチによる手法を利用できるようインフラも拡張する。
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動物実験を段階的廃止へ~抗体医薬がターゲットに
出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
NIH(米国国立衛生研究所)が、ヒトの毒性が予測可能となるようインビトロ評価、生体模倣システム(MPS)やAIなど先端的な技術を組み合わせて新たな安全性試験を考えていく「NAMs」(新しいアプローチや方法論)を推進し、動物実験を削減する方針を表明しました。