医療

適切な禁煙治療提供も~電子処方箋の活用例公表 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が、薬局が電子処方箋を活用して医薬品の不適切な使用や副作用を防ぐためのプレアボイド事例を公表。マイナンバーカードから過去の薬剤情報を閲覧することで相互作用や重複投薬を回避した事例や、過去の禁煙治療歴から適切な禁煙治療の提供に結びついた事例などが紹介されています。

厚生労働省は、薬局が電子処方箋を活用して医薬品の不適切な使用や副作用を防ぐためのプレアボイド事例を公表した。現在電子処方箋に関するホームページ上で10件を掲載しており、マイナンバーカードから過去の薬剤情報を閲覧することで相互作用や重複投薬を回避した事例や、過去の禁煙治療歴から適切な禁煙治療の提供に結びついた事例などが紹介されている。

 

過去の薬剤情報を閲覧することで併用禁忌の相互作用を回避した事例では、普段から複数の薬局を利用し、その薬局には久しぶりに来局した患者を紹介。発熱症状で内科クリニックを受診し、コロナウイルス感染症の診断でニルマトレルビル錠が処方されていた。

 

お薬手帳を持参していなかったがマイナンバーカードによる受付で同意を得て、過去の薬剤情報を閲覧したところ、他の医療機関でニルマトレルビル錠との併用禁忌の関係にあるスボレキサント錠とエスタゾラム錠の処方履歴が確認された。患者にも現在服用中であることを確認した。

 

疑義照会を行い、患者はニルマトレルビル錠と併用禁忌の薬剤を2剤も服用中であることから、患者の服用薬に影響を与えないモルヌピラビルカプセルへの変更を提案。薬剤変更となった。

 

マイナンバーカードを活用した過去情報閲覧で薬剤情報を把握することで併用禁忌の相互作用を防ぐことができたとしている。

 

一方、マイナンバーカードを活用した過去情報閲覧を通して適切な禁煙治療の提供に結びついた事例もある。新規で禁煙治療(経皮吸収ニコチン製剤)を開始した50歳代の男性患者に薬局薬剤師がマイナンバーカードで過去の薬剤情報の閲覧をしたところ、前月、前々月に他院において経皮吸収ニコチン製剤が処方されていたことを確認した。

 

患者に確認すると、「概ね禁煙できているが、治療終了後も喫煙したくなることがあるため受診した」と回答したため、直近で他院において禁煙治療が終了していることを踏まえて、今回の処方箋発行元の診療所に疑義照会を行った。

 

医師と相談し現状禁煙が継続できていることも踏まえ、自信を持って禁煙を続けるように薬剤師から伝え、今回の処方は削除することとなった。その後、薬局においてフォローアップを続け、その後も禁煙が続いていることを確認しているという。

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出典:株式会社薬事日報社 

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