【第27回参院選】本田顕子氏が2期目当選~「薬業界の思いを形に」
日本薬剤師連盟の組織内統一候補として20日に投開票が行われた第27回参議院議員通常選挙に自民党から比例区で出馬した現職の本田顕子氏(写真左)は、2期目の当選を果たした。得票数は翌21日時点で確定していないものの、15万2000票程度と見られる。初当選を果たした2019年参院選の15万9596票からは減らしたものの、何とか議席を確保した。昨年の衆院選で元薬剤師議員の渡嘉敷奈緒美氏、松本純氏が落選し、背水の陣で臨んだ今回の参院選だったが、薬剤師議員が1人となる危機は免れた。

自民・公明の与党が過半数割れとなり、厳しい選挙戦となった今回の参院選。得票数は自民党が比例代表で獲得した12議席中11番目の順位となった。
都内の選挙事務所には、日薬連盟の幹部をはじめ支援者が詰めかけた。当初、苦戦が予想された本田陣営だったが、開票直後から党内12位前後の好位置につけるなど有利に進め、21日午前5時頃に一部の放送局から当選確定が伝えられた。
日本放送協会(NHK)の当確が出た時点で本田氏が当選あいさつを行う予定だったが、NHKの開票速報結果が鈍る異例の展開に。本田氏が事務所に到着してもNHKから当確が出ない予想外の展開に、支援者の顔にも不安の色が滲み出た。
本田氏と支援者が開票の行方を見守る中、NHKを除く一般紙、民放テレビ局から当確が打たれたことで、午前11時に“事実上の当確”と判断。日薬連盟が支援する候補の参院選では、史上最も遅い勝利宣言となった。

本田氏は「日薬連盟として63年かけて悲願の2人体制を実現した議席だ。厳しい選挙ではあったが、多くの皆さんに応援していただき、その力が強くなっていくことを感じて選挙を戦わせてもらった」と感謝の言葉を述べた。
2期目に向けては「当事者にしか分からない思い、薬業界にしか分からない思いを形にすることで、しっかりと仕事をさせていただきたい」と抱負を語った。
日薬連盟幹事長の川田哲副選対本部長は「プレッシャーの中での選挙戦」と語った。勝因となったのは、自民党内のライバル候補たちが6年前の参院選に比べて得票数を減らす中で、本田氏は日薬連盟の支援を受けて得票数の減少を食い止めた点だろう。自民の逆風が本田氏にとって追い風になった側面もある。
報告会後に記者会見した本田氏は、「若い皆さんに対して『本田は何をやりたいのか』ということをインターネットを通じて訴えさせていただいた。また、6年前にはなかった新しい支援団体からも力をいただいた」と語った。
日薬連盟会長の岩月進選対本部長も「薬剤師はブレないということを、全国のいろんな場所を回って思った。今回当選したことには価値がある」と薬剤師の組織力も当選の原動力として挙げた。
一方で、今回獲得した15万2000票は当選ラインとしていた20万票には遠く及ばず、集票できなかった部分は否めない。本田氏は「基礎票からどれだけ上積みできるか。無党派の票が参政党に流れた。専門性で固めるのも大事だが、一般の人たちに伝えていくのも大事」と述べ、薬剤師の組織票に加え、無党派層からの票の取り込みを今後の課題に挙げた。
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出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
2025年7月20日に投開票が行われた第27回参議院議員通常選挙で、日本薬剤師連盟の組織内統一候補として自民党から比例区で出馬した現職の本田顕子氏が、2期目の当選を果たしました。