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【厚労省 安川安全対策課長】市販後に薬剤師の参画促す~条件付承認でリスク対応を

薬+読 編集部からのコメント

小児や希少疾患など条件付き承認が適用された医薬品の市販後安全対策において、薬局薬剤師の参画を促す考えを厚生労働省医薬局医薬安全対策課の安川課長が示しました。改正薬機法で医薬品リスク管理計画(RMP)が法制化されたことを踏まえ、薬局薬剤師には「RMPを活用する意識を強く持ってもらいたい」と呼びかけました。

厚生労働省医薬局医薬安全対策課の安川孝志課長(写真)は28日、専門紙の共同取材に対し、小児や希少疾患など条件付き承認が適用された医薬品の市販後安全対策で、薬局薬剤師の参画を促す考えを示した。改正医薬品医療機器等法で医薬品リスク管理計画(RMP)が法制化されたことを踏まえ、薬局薬剤師には「RMPを活用する意識を強く持ってもらいたい」と呼びかけた。

新薬承認をめぐっては、小児や希少疾患薬などを対象とした条件付き承認が導入され、これまで以上に情報が限られた状態での承認が予想される。ドラッグラグ・ロス対策は市販後の情報収集が肝になる。

 

安川氏は、「薬剤師は薬の専門家である以上、次々に出てくる新薬を中心に個々の薬剤がどう承認されたかを把握し、どういった安全対策が必要なのか個別の判断が求められる。患者への説明もより一層工夫が必要になる」と薬剤師が市販後も含め研究に関与する必要性を指摘した。

 

そのため、薬局におけるRMPの活用も推進する考えを示した。安川氏は保険局医療課の薬剤管理官時代に、RMP資材を活用して薬剤師が患者に説明を行った場合に調剤報酬上で評価する「特定薬剤管理指導加算3-イ」を新設した経緯がある。

 

「薬局薬剤師がRMPに意識を持つきっかけとなったのは大きい。どのくらい活用されているかは検証調査が行われると思うが、それを前提にわれわれも安全対策を講じたい」と語った。

 

また、薬局薬剤師には新薬のリスク対応で審査報告書の活用も促した。安川氏は「情報提供資材のバックグラウンドデータとなるのが審査報告書。様々な分析がされており、薬剤師にとって読み解く価値がある」と指摘。安全性リスクが特定されていない新薬で薬剤師が副作用の早期発見につなげるなど、職能の発揮に生かせるよう取り組む考えを示した。

 

一方、OTC医薬品のオーバードーズ対応についても普及啓発を進めるとし、「地域包括ケアにおける薬剤師の役割は薬の安全、患者を守るために何ができるかであり、全てが安全対策に集約されている」と強調。日本薬剤師会や日本OTC医薬品協会など、関係団体が同じ方向を向いて共通のメッセージを出せるよう国としてオーバードーズ対策に取り組む方針も明かした。

🔽 RMPについて解説した記事はこちら

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出典:株式会社薬事日報社 

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