文科省 小林専門官「必修にするかは未定」~追加8週の臨床実習言及

文部科学省医学教育課の小林一隆薬学教育専門官は2日、つくば市内で開かれた日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会で講演し、薬学生の実務実習について「まずは22週の実習が重要で、こちらができてこそ8週の臨床実習が有意義なものとなる」と強調した。臨床実習の義務化に関しては、「最終的には全ての薬学部で実施を目指したいが、すぐに実施するのはキャパシティ的に難しい」と課題に言及した。
小林氏は、現行の「臨床における実務実習に関するガイドライン」では22週の実務実習後、実践能力養成に向けて追加の臨床実習を8週間程度行うことを努力目標としていることに言及。「まずは22週の実務実習が第一義的に重要で、こちらができてこそ8週の臨床実習が有意義なものとなる」との見解を示した。
パネル討論でも追加の臨床実習に触れ、「現在は努力目標だが、必修にするかは未定だ。最終的には全薬学部での実施を目指したいが、すぐにプラス8週を実施することはキャパシティ的に難しい」と述べた。
その上で、「ガイドラインでも各大学の教育資源に応じて検討することとしているため、最初は小さな形で進め、好事例があれば横展開して、他大学でもできそうなら広めていく」との考えを示した。
臨床実習については、慶應義塾大学薬学部薬学科の中村智徳教授も「大学間で(取り組みに)温度差があり、どんな実習を行っているか情報共有されていない」と現状の課題を指摘。「まずは情報共有を図り、薬剤師会にも臨床実習に当たって受け入れが可能か、どんな実習であれば受け入れ可能かなどに関するアンケート調査を行い、担当地区での実習を作っていきたい」とした。
一方で、小林氏は「薬学生が卒業後も生涯研鑽を続ける姿勢を身につけることが重要であることを念頭に、実習などでの指導をお願いしたい」とも訴え、人手不足が続く病院薬剤師に対しても「実務実習先が就職先となる学生も一定数いる現状では、不足解消に向けて業務の面白さややりがいを伝えてほしい」と要望した。
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出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
文科省医学教育課の小林薬学教育専門官が、薬学生の実務実習について「まずは22週の実習が重要で、こちらができてこそ8週の臨床実習が有意義なものとなる」と強調しました。臨床実習の義務化に関する課題にも言及し、「必修にするかは未定」としています。