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【私立薬大協25年度調査】志願者数が3年連続減少~移転効果で理科大757人増

薬+読 編集部からのコメント

2025年度の私立薬科大学(薬学部)の6年制と4年制の入学志願者数は、前年度比1464人減の7万0381人で3年連続の減少となりました。前年度から増加した大学は61校中24校にとどまった一方で、2025年度から薬学部を葛飾キャンパスに移転した東京理科大は757人増と、志願者数を大きく伸ばしています。

日本私立薬科大学協会がまとめた2025年度の私立薬科大学(薬学部)の6年制と4年制の入学志願者数は、前年度比1464人減の7万0381人で3年連続の減少となった。志願者数が前年度より増加した大学は61校中24校にとどまった一方、今年度から薬学部を葛飾キャンパスに移転した東京理科大が757人増と、志願者数確保に苦しむ私立薬系大学の中で大きく伸ばした。2年連続の低下となっていた募集数に対する入試倍率は前年度からほぼ横ばいの6.4倍で、1.0倍を切った大学は前年度の4校から2校に減少した。

 

調査は、私立薬大協加盟の61校を対象に実施したもので、6年制学科と4年制学科を合わせた今年度の定員は1万1076人だった。前年度と比べ、6年制で姫路獨協大の募集停止により60人減となり、医療創生大が20人、大阪大谷大が40人定員を減らした。4年制では、日本薬科大が募集停止により120人減となったため、6年制と4年制合わせて計240人の定員減となった。

 

志願者数は、6年制では、一般4万9565人、推薦9253人、総合型選抜3023人、その他1103人で計6万2944人、4年制は、一般6465人、推薦548人、総合型選抜401人、その他23人で計7437人、6年制と4年制を合わせた総志願者数は7万0381人。前年度の7万1845人より1464人減で、志願者数の減少は3年連続となった。

 

志願者数が前年度より増加した大学は61校中24校にとどまり、今年度から薬学部を葛飾キャンパスに移転した東京理科大が757人増で増加数が最多となり、星薬科大333人増、京都薬科大309人増、昭和医科大279人増、立命館大205人増、崇城大201人増と続いた。

 

総定員数と総志願者数から割り出し、入試倍率が平均の約6.4倍を超えた人気のある大学は20校で前年度から2校減となった一方、1.0倍未満も前年度から2校減少した2校となった。入試倍率は22年度の6.8倍から、23年度6.7倍、24年度6.3倍と低下傾向が続いていたが、今年度はやや持ち直した形となった。

 

入試倍率が10倍を超えた大学は9校で前年度と同数だった。最も倍率が高かったのは、前年度と同様に近畿大の25.7倍がトップで、東京理科大21.0倍、立命館大15.9倍、星薬科大13.3倍、武蔵野大13.0倍、名城大、武庫川女子大、福岡大の各10.1倍、慶應義塾大10.0倍の順だった。

 

昨年開設の国際医療福祉大成田薬学部は8.6倍(志願者数1036人)、順天堂大は9.6倍(同1725人)と、入試倍率、志願者数共に前年度からほぼ横ばいだったものの、共に平均入試倍率を2年連続で上回った。

 

 6年制の半数定員割れ‐入学者も厳しい状況

一方、今年度の入学者数を入学定員数で割って算出した定員充足率を見ると、6年制は0.91、4年制は1.00だった。定員未充足の大学は6年制で30校と全体のおよそ半数を占め、4年制でも6校が定員割れとなるなど厳しい状況に直面しているようだ。

 

6年制と4年制の合計入学者数を合計入学定員数で割った定員充足率は0.91だった。6年制と4年制の合計入学定員数を合計入学者数が満たした大学は32校、未充足の大学は29校だった。

 

定員充足率が低かった大学は、徳島文理大が0.29と最も低く、次いで城西国際大0.31、湘南医療大0.37、千葉科学大、松山大の各0.43、日本薬科大0.47、広島国際大0.48、城西大0.50、奥羽大0.52、青森大0.54、徳島文理大香川薬学部0.58、第一薬科大0.59、九州医療科学大0.60、神戸学院大0.62、新潟薬科大0.64、就実大0.65、長崎国際大0.69、医療創生大0.70、大阪大谷大0.73、兵庫医科大0.76、鈴鹿医療科学大0.77、北海道医療大0.81、岩手医科大、帝京平成大が各0.82、福山大0.83、岐阜医療科学大0.86となっている。

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出典:株式会社薬事日報社 

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