薬剤師の人数は年々増加傾向にあり、将来的な需要の低下を懸念する声もあります。本記事では、グラフや表を使って年齢別、男女別、都道府県別、施設・業務種別の薬剤師の人数を紹介するとともに、人数の推移や他職種との人数の違いをお伝えします。加えて、薬剤師の需要・供給バランスの現状や、薬剤師として働き続けるために必要なことについても解説します。

1.薬剤師の人数は何人?
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、2024年12月31日時点における薬剤師の人数は329,045人です。男性は125,066人、女性は203,979人となっています。
2022年末時点の統計結果と比較すると、薬剤師の人数は5,355人(1.7%)増加しました。人口10万対薬剤師数は265.8人で、6.7人増えています。
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 3 薬剤師|厚生労働省
1-1.年齢別の薬剤師の人数
2024年末時点における年齢別の薬剤師の人数は、以下のとおりです。
| 年齢 | 人数 | 割合 |
| 29歳以下 | 38,742人 | 11.8% |
| 30~39歳 | 83,436人 | 25.4% |
| 40~49歳 | 74,118人 | 22.5% |
| 50~59歳 | 66,799人 | 20.3% |
| 60~69歳 | 45,964人 | 14.0% |
| 70歳以上 | 19,986人 | 6.1% |
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(表16)|厚生労働省
このデータは薬局や医療施設だけでなく、製薬企業や行政機関などに勤める薬剤師も含む人数です。30~39歳が最も人数が多く、以降は年代が上がるごとに人数が少なくなっています。
1-2.男女別の薬剤師の人数
薬局や医療機関に従事する薬剤師の男女別の人数は、以下のとおりです。
| 年齢 | 男 | 女 | 男女計 |
| 29歳以下 | 11,180人 | 22,318人 | 33,498人 |
| 30~39歳 | 28,079人 | 41,288人 | 69,367人 |
| 40~49歳 | 20,191人 | 38,483人 | 58,674人 |
| 50~59歳 | 15,169人 | 36,058人 | 51,227人 |
| 60~69歳 | 11,222人 | 22,951人 | 34,173人 |
| 70歳以上 | 5,249人 | 8,539人 | 13,788人 |
| 全年齢計 | 91,090人 | 169,637人 | 260,727人 |
※薬局・医療機関に従事する薬剤師のデータとなっており、前項の「年齢別の薬剤師の人数」とは合計の人数が異なります。
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(表17)|厚生労働省
薬局・医療機関に従事する薬剤師については、年齢によりばらつきがあるものの、いずれの層でも女性が男性を上回っており、年代によっては2倍以上の差が開いています。
1-3.都道府県別の薬剤師の人数
都道府県別の薬剤師の人数は、以下のとおりです。

| 都道府県 | 人数 | 都道府県 | 人数 | 都道府県 | 人数 |
| 北海道 | 11,854人 | 石川 | 2,890人 | 岡山 | 4,296人 |
| 青森 | 2,405人 | 福井 | 1,492人 | 広島 | 7,323人 |
| 岩手 | 2,507人 | 山梨 | 1,928人 | 山口 | 3,442人 |
| 宮城 | 5,709人 | 長野 | 4,746人 | 徳島 | 2,617人 |
| 秋田 | 2,022人 | 岐阜 | 4,218人 | 香川 | 2,410人 |
| 山形 | 2,211人 | 静岡 | 8,516人 | 愛媛 | 3,188人 |
| 福島 | 3,891人 | 愛知 | 16,925人 | 高知 | 1,753人 |
| 茨城 | 6,475人 | 三重 | 3,624人 | 福岡 | 13,094人 |
| 栃木 | 4,370人 | 滋賀 | 3,480人 | 佐賀 | 1,983人 |
| 群馬 | 4,173人 | 京都 | 6,800人 | 長崎 | 2,981人 |
| 埼玉 | 17,270人 | 大阪 | 28,055人 | 熊本 | 4,046人 |
| 千葉 | 15,218人 | 兵庫 | 15,839人 | 大分 | 2,370人 |
| 東京 | 55,020人 | 奈良 | 3,086人 | 宮崎 | 2,269人 |
| 神奈川 | 24,212人 | 和歌山 | 2,371人 | 鹿児島 | 3,351人 |
| 新潟 | 4,597人 | 鳥取 | 1,200人 | 沖縄 | 2,480人 |
| 富山 | 2,905人 | 島根 | 1,433人 |
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(統計表9)|厚生労働省
東京、大阪、神奈川、愛知、兵庫、福岡など、人口が多い都道府県は薬剤師の人数も多い傾向にあり、都道府県によって人数にばらつきがあることが分かります。
また、都道府県別の人口10万対薬剤師数は、以下のとおりです。

| 都道府県 | 10万対薬剤師数 | 都道府県 | 10万対薬剤師数 |
| 全国 | 265.8人 | 三重 | 211.8人 |
| 北海道 | 235.1人 | 滋賀 | 248.2人 |
| 青森 | 206.4人 | 京都 | 269.8人 |
| 岩手 | 219.0人 | 大阪 | 320.4人 |
| 宮城 | 254.0人 | 兵庫 | 296.8人 |
| 秋田 | 225.4人 | 奈良 | 240.2人 |
| 山形 | 218.7人 | 和歌山 | 269.4人 |
| 福島 | 223.2人 | 鳥取 | 226.0人 |
| 茨城 | 230.8人 | 島根 | 223.2人 |
| 栃木 | 231.8人 | 岡山 | 234.6人 |
| 群馬 | 220.8人 | 広島 | 269.8人 |
| 埼玉 | 235.5人 | 山口 | 268.7人 |
| 千葉 | 243.4人 | 徳島 | 382.0人 |
| 東京 | 388.1人 | 香川 | 262.8人 |
| 神奈川 | 262.5人 | 愛媛 | 249.8人 |
| 新潟 | 219.0人 | 高知 | 267.2人 |
| 富山 | 291.4人 | 福岡 | 257.1人 |
| 石川 | 263.2人 | 佐賀 | 251.6人 |
| 福井 | 201.9人 | 長崎 | 238.1人 |
| 山梨 | 243.7人 | 熊本 | 238.4人 |
| 長野 | 238.9人 | 大分 | 218.4人 |
| 岐阜 | 220.1人 | 宮崎 | 219.7人 |
| 静岡 | 241.5人 | 鹿児島 | 218.7人 |
| 愛知 | 226.9人 | 沖縄 | 169.2人 |
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(統計表10)|厚生労働省
人口10万対薬剤師数は、東京と徳島が多く、沖縄は少ないものの、その他の道府県に大きな差はありませんでした。
1-4.施設・業務種別の薬剤師の人数
続いて、2024年末時点における施設・業務種別の薬剤師の人数を紹介します。
薬局に従事する薬剤師の人数は197,437人で、内訳は以下のとおりです。
| 薬局の開設者または法人の代表者 (管理者) |
12,591人 |
| 薬局の開設者または法人の代表者 (管理者以外) |
3,224人 |
| 薬局の勤務者(管理者) | 49,537人 |
| 薬局の勤務者(管理者以外) | 132,085人 |
医療施設に従事する薬剤師の人数は63,290人で、60,421人が調剤・病棟業務、2,869人がその他(検査、治験など)の業務に従事しています。それぞれの内訳は以下のとおりです。
| 病院の従事者 | 57,595人 | |
| 調剤・病棟業務 | 55,857人 | |
| その他(検査、治験等) | 1,738人 | |
| 診療所の従事者 | 5,695人 | |
| 調剤・病棟業務 | 4,564人 | |
| その他(検査、治験等) | 1,131人 | |
介護保険施設に従事する薬剤師の人数は1,217人で、内訳は以下のとおりです。
| 介護老人保健施設の勤務者 | 1,049人 |
| 介護医療院の勤務者 | 168人 |
大学に従事する薬剤師の人数は5,011人で、内訳は以下のとおりです。
| 大学の勤務者(研究・教育) | 4,524人 |
| 大学院生または研究生 | 487人 |
医薬品関係企業に従事する薬剤師の人数は34,184人で、内訳は以下のとおりです。
| 医薬品製造販売業・製造業 (研究・開発、営業、その他) |
24,102人 |
| 店舗販売業 | 5,090人 |
| 配置販売業 | 33人 |
| 卸売販売業 | 4,959人 |
その他の薬剤師の人数は、以下のとおりです。
| 衛生行政機関または 保健衛生施設の従事者 |
6,906人 |
| その他の業務の従事者 | 9,001人 |
| 無職の者 | 11,975人 |
| 不詳 | 24人 |
これらの統計から、薬局や医療施設、医薬品関係企業に勤務する薬剤師が多いことが分かります。
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(統計表2)|厚生労働省
2.薬剤師の人数推移
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、薬剤師は年々増加傾向にあります。1982年以降の薬剤師の人数推移は、以下のとおりです。

| 年 | 人数 |
| 1982年 | 124,390人 |
| 1984年 | 129,700人 |
| 1986年 | 135,990人 |
| 1988年 | 143,429人 |
| 1990年 | 150,627人 |
| 1992年 | 162,021人 |
| 1994年 | 176,871人 |
| 1996年 | 194,300人 |
| 1998年 | 205,953人 |
| 2000年 | 217,477人 |
| 2002年 | 229,744人 |
| 2004年 | 241,369人 |
| 2006年 | 252,533人 |
| 2008年 | 267,751人 |
| 2010年 | 276,517人 |
| 2012年 | 280,052人 |
| 2014年 | 288,151人 |
| 2016年 | 301,323人 |
| 2018年 | 311,289人 |
| 2020年 | 321,982人 |
| 2022年 | 323,690人 |
| 2024年 | 329,045人 |
このデータから、薬剤師の人数は年々増加していることが分かります。
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(結果の概要)|厚生労働省
2-1.施設種別の薬剤師の人数推移
次に、1982年以降の薬局・医療施設に従事する薬剤師の人数推移を見ていきましょう。

| 年 | 薬局 | 医療施設(病院・診療所) |
| 1982年 | 39,751人 | 30,220人 |
| 1984年 | 42,173人 | 32,503人 |
| 1986年 | 43,749人 | 34,799人 |
| 1988年 | 45,963人 | 38,339人 |
| 1990年 | 48,811人 | 41,214人 |
| 1992年 | 52,226人 | 43,416人 |
| 1994年 | 60,866人 | 45,553人 |
| 1996年 | 69,870人 | 48,984人 |
| 1998年 | 81,220人 | 49,039人 |
| 2000年 | 94,760人 | 48,150人 |
| 2002年 | 106,892人 | 47,536人 |
| 2004年 | 116,303人 | 48,094人 |
| 2006年 | 125,254人 | 48,964人 |
| 2008年 | 135,716人 | 50,336人 |
| 2010年 | 145,603人 | 52,013人 |
| 2012年 | 153,012人 | 52,704人 |
| 2014年 | 161,198人 | 54,879人 |
| 2016年 | 172,142人 | 58,044人 |
| 2018年 | 180,415人 | 59,956人 |
| 2020年 | 188,982人 | 61,603人 |
| 2022年 | 190,735人 | 62,463人 |
| 2024年 | 197,437人 | 63,290人 |
薬局・医療施設ともに薬剤師の人数は増加傾向にあるものの、医療施設に従事する薬剤師の増加ペースは比較的緩やかであることが分かります。
参考:令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(図13)|厚生労働省
3.薬剤師の人数は他職種と比べて多い?少ない?
薬剤師の人数は他職種よりも多いのか、少ないかを比較するために、厚生労働省の「令和6年医師・歯科医師・薬剤師統計」と「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)」をもとに、2024年末時点における医師・歯科医師・保健師・助産師・看護師・准看護師の人数と、薬剤師の人数を紹介します。

| 職種 | 人数 |
| 医師 | 347,772人 |
| 歯科医師 | 103,652人 |
| 薬剤師 | 329,045人 |
| 保健師 | 63,536人 |
| 助産師 | 38,721人 |
| 看護師 | 1,363,142人 |
| 准看護師 | 233,022人 |
これらの職種のうち、人数は看護師が最も多く、助産師が最も少ないことが見て取れます。薬剤師の人数は、看護師や医師と比較すると少ないものの、歯科医師や保健師、助産師よりは多いという結果になっています。
続いて、各職種の男女別の人数を紹介します。

| 職種 | 人数 | |
| 医師 | 男 | 262,801人 |
| 女 | 84,971人 | |
| 歯科医師 | 男 | 75,455人 |
| 女 | 28,197人 | |
| 薬剤師 | 男 | 125,066人 |
| 女 | 203,979人 | |
| 保健師 | 男 | 2,076人 |
| 女 | 61,460人 | |
| 助産師 | 男 | 0人 |
| 女 | 38,721人 | |
| 看護師 | 男 | 118,068人 |
| 女 | 1,245,074人 | |
| 准看護師 | 男 | 17,691人 |
| 女 | 215,331人 | |
※助産師は法律で女性のみと定められているため、男性の人数は0人。
参考:保健師助産師看護師法 第三条|e-Gov 法令検索
男女比は職種によって大きく異なることが分かりました。医師、歯科医師は男性の方が多いのに対し、薬剤師、保健師、看護師、准看護師は女性の方が多くなっています。
参考:令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況|厚生労働省
参考:令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省
4.薬剤師は不足している?飽和している?
前述のとおり、医療施設や薬局に従事する薬剤師の人数は増加傾向にあり、厚生労働省からは将来的に薬剤師の供給が需要を上回るという推計も示されています。そのため、いずれは薬剤師の人数が過剰になり、飽和する可能性があります。
しかし、就業先によって人数の推移に差があることに加え、都道府県ごとの薬剤師の人数や、人口10万対薬剤師数にも差があることから、薬剤師は、地域や就業先によって不足しているところと、飽和しつつあるところが混在しているといえるでしょう。
特に病院薬剤師の確保は課題となっていることから、厚生労働省は2036年までに薬剤師の偏在を是正するための取り組みを行っています。
参考:第12回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 参考資料2-1 薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会とりまとめ(概要)|厚生労働省
🔽 薬剤師の飽和について解説した記事はこちら
5.今後も薬剤師として働き続けるために必要なこと
薬剤師の役割は、近年の医療環境の変化によって多様化しています。薬局薬剤師は、地域住民の薬物治療をサポートすることにとどまらず、主体的な健康維持・増進を支援する役割も担います。病院薬剤師についても、多職種連携の強化に加え、薬物治療の高度化・複雑化によって役割が広がっています。
医療環境の変化や将来的な薬剤師の飽和を見据えると、今後も薬剤師として長く働き続けるには、日々自己研鑚に努めることが欠かせません。
そのためには、より専門性を高めたり、薬剤師の需要が高まる分野のスキルを磨いたりする必要があるでしょう。ここでは、薬剤師として働き続けるために必要なことについてお伝えします。
5-1.資格を取得して専門性を高める
薬剤師の専門性を高める方法には、資格の取得が挙げられます。さまざまな勉強会や講習会で知識を習得したり、専門性の証明となる認定薬剤師や専門薬剤師の取得を目指したりするとよいでしょう。
認定薬剤師や専門薬剤師には多岐にわたる種類があります。自身の得意な分野や興味のある分野を選択することで、積極的に学ぶことができるでしょう。
🔽 認定薬剤師の種類一覧を紹介した記事はこちら
🔽 専門薬剤師の種類一覧を紹介した記事はこちら
5-2.地域医療に関するスキルを磨く
高齢化に伴い、在宅医療の需要は今後さらに高まることが予想されています。そのため、在宅医療に関するスキルを磨くのも一案でしょう。
また、地域住民に向けて疾病予防の勉強会を開催するなど健康づくりに関する活動を行ったり、市販薬やサプリメントなどの健康食品についてアドバイスをしたりといった健康サポート活動を行う方法もあります。
在宅医療では、薬剤師としての知識やスキルはもちろん、患者さんや家族、他職種と円滑に関わるためのコミュニケーション能力が求められます。勉強会や講習会への参加、在宅療養支援認定薬剤師などの資格取得を通じて、在宅関連のスキルを磨きましょう。
🔽 在宅医療における薬剤師の役割について解説した記事はこちら
6.患者さんや他職種から必要とされる薬剤師になろう
薬剤師の人数は、業種や地域によって不足しているところがあります。しかし、近い将来、需要と供給のバランスが崩れ、薬剤師が飽和する可能性も示唆されています。今後も薬剤師として活躍し続けるためには、患者さんや医療関連職種などから必要とされる存在となることが重要です。専門性やスキルを磨き、医療に貢献できる薬剤師になりましょう。

薬剤師ライター。病院・薬局で幅広い診療科を経験。現在は2児の子育てをしながら、Webライターとして活動中。専門的な資料や情報をわかりやすくかみ砕き、現場のリアルに寄り添う言葉で伝えることを大切にしている。同じ薬剤師として、日々の悩みやモヤモヤに共感しながら、少しでも役立つヒントや気づきを届けられるように試行錯誤中。
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