医療

薬剤師研修でモデル事業~複数施設の連携研修支援 日本病院薬剤師会

薬+読 編集部からのコメント

日本病院薬剤師会が、2026年度から複数の施設が連携して研修を行うモデル事業を実施。中小規模の病院では単独での研修実施が困難なケースがあり、施設間で研修の質にバラツキも見られる中、質の高い新人薬剤師の研修が全国各地で実施可能となる体制の構築を目指します。

日本病院薬剤師会は、質の高い新人薬剤師の研修が全国各地で実施可能となる体制の構築を目指し、2026年度から複数の施設が連携して研修を行うモデル事業を実施する。中小規模の病院では単独での研修実施が困難なケースがあり、施設間で研修の質にバラツキも見られる。モデル事業での成果を踏まえ、具体的な連携モデルを作成・提示し、全国各地域で薬剤師の臨床研修が実施できる体制を支援する。実施施設を公表し、研修を希望する薬剤師と研修施設を結びつけるマッチング体制も整備する。

 

日病薬は、「薬剤師臨床研修事業推進ワーキンググループ」を立ち上げ、具体的な検討を行う予定だ。

 

昨年3月に厚生労働省から薬剤師臨床研修ガイドラインが発出されたが、薬剤師臨床研修の指導体制や薬剤師の生涯にわたるキャリア形成については十分な検討がなされていない。

 

日病薬は、今年度の「薬剤師臨床研修の効果的な実施のための調査検討事業」で質の高い新人薬剤師の研修が全国各地で実施可能となるよう中小規模の病院や単科病院も参加しやすい制度設計を基本方針とし、厚労省と協議を進めて具体的な検討を行う。

 

26年度に予定するモデル事業では、他施設との連携研修の支援を行う。中小病院などが研修に参加する上でのハードルとなりやすい「他施設との連携」を支援する必要がある中、複数の施設が連携して研修の実施を検討する。

 

また、薬剤師臨床研修施設の募集・公表の体制整備も行う。研修を希望する薬剤師が質の高い研修を受けられる施設を円滑に探せる環境作りが求められていることから、各施設の研修の取り組みを社会に広く周知し、研修希望者に情報を提供するための方策も検討する。将来的には研修施設の情報を集約し、研修希望者と施設を結びつける体制を整備する。

 

今後の課題は、▽研修実態の把握と制度の最適化▽研修実施体制の拡充と質の均一化▽研修希望者と施設の情報マッチング▽薬剤師臨床研修の効果の検証――を挙げた。研修実態の把握に向けては各施設での研修実施状況、特に中小病院の実態が不明瞭のため、全国調査を行い、その結果に基づき実効性のある制度となるようガイドラインの改訂を検討する。

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出典:株式会社薬事日報社 

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