【覆面調査】「乱用薬購入時対応」が改善~ネットの遵守率は横ばい 厚生労働省
厚生労働省は22日、2024年度の医薬品販売制度実態把握調査結果を公表した。店舗販売では、例年遵守率が低い乱用等の恐れのある医薬品の複数購入時の対応で改善が見られた一方、インターネット販売では、第2類医薬品等に関する相談への対応者が薬剤師・登録販売者でない店舗・薬局が約3割超あり、前年度に引き続き遵守率が低い結果となった。一般用医薬品の購入前、専門家に相談せず購入する際の店舗の対応状況は「薬剤師・登録販売者がレジ対応をした」の割合が80.5%と前年度から大幅に改善した。

同調査は、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明しているかなどを調べたもの。昨年12月から今年2月に、薬局や店舗販売業、チェーン店3028件を対象に実施した。
店舗販売に関する調査では、全体的な遵守率は横ばいであったが、第1類医薬品における「文書による情報提供があった」が84.5%、「情報提供された内容を理解したかどうか等の確認があった」が64.8%とこれらの項目では遵守率が低い結果となった。
中でも情報提供された内容の確認があったのは店舗販売業が75.2%であったのに対し、薬局は63.0%、チェーンは65.9%と低かった。
一方で「乱用等の恐れのある医薬品を複数購入しようとした時の対応が適切であった」の項目は前年度の80.8%から88.4%と改善した。
ネット販売に関する調査では、多くの項目の遵守率は9割を超えているものの、「第2類医薬品等に関する相談に対応した者の資格が薬剤師または登録販売者であった」の項目では68.2%と遵守率が低い結果となった。
「乱用等の恐れのある医薬品を複数購入しようとした時の対応が適切であった」の項目の遵守率は横ばいだが、遵守率が改善した店舗での販売対応に比べると低かった。
厚労省は「販売ルールを遵守していない薬局・店舗販売業、ネットでの販売で販売ルールの徹底が必要」としている。
専門家へ相談を実施せずに購入する際の店舗の対応状況では、「薬剤師・登録販売者がレジ対応をした」の割合が前年度の59.1%から80.5%と高くなると共に、「質問等されずに医薬品を購入できた」の割合は22.5%から5.7%と低下した。
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【覆面調査】2割が質問されずに薬購入~専門家関与の重要性示す 厚生労働省
出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省が、2024年度の医薬品販売制度実態把握調査結果を公表。店舗販売では、例年遵守率が低い乱用等の恐れのある医薬品の複数購入時の対応で改善が見られた一方、インターネット販売では、第2類医薬品等に関する相談への対応者が薬剤師・登録販売者でない店舗・薬局が約3割超あり、前年度に引き続き遵守率が低い結果となりました。