医療

【NPhA調査】OTC薬販売対応割れる~「購入勧めず」が2割に

薬+読 編集部からのコメント

セルフメディケーションにかかる相談対応や受診勧奨に関する事例報告をNPhAが公表。2025年8~9月に会員企業の管理薬剤師3380人を対象に実施した調査結果によると、直近1カ月でセルフメディケーションにかかる相談対応や介入の実績があったとの回答が約半数を占めました。

日本保険薬局協会(NPhA)は、セルフメディケーションにかかる相談対応や受診勧奨に関する事例報告を公表した。8~9月に会員企業の管理薬剤師を対象に実施した調査結果によると、直近1カ月でセルフメディケーションにかかる相談対応や介入の実績があったのは約半数を占めた。そのうちOTC医薬品の販売対応を質問したところ、「自店舗での購入を勧め対面販売した」が半数に上った一方、「他店舗を案内し購入を勧めた」「購入は勧めなかった」との対応が約4割になるなど回答が分かれた。

 

調査は3380の管理薬剤師が回答し、そのうち75.2%は「健康サポート薬局研修を修了、かつ薬局実務経験5年以上」を満たしていた。

 

直近1カ月で患者や地域住民から健康相談や軽度な不調時のセルフメディケーションにかかる相談を受けた、もしくは能動的に介入した経験を聞いたところ、「複数の事例がある」の15.8%を含め「経験がある」と回答したのは50.9%に上った。「直近1カ月における事例はない(1年振り返ればある)」は33.6%、「ない」は15.4%だった。

 

「ある」と回答した薬剤師1706人に対し、相談対応の際に一般用医薬品等の販売を行ったかを尋ねたところ、「自店舗での購入を勧め対面販売した」が49.2%と最も多かったが、「自店舗ではなく他店舗を案内し購入を勧めた」が17.5%、「購入は勧めなかった」が22.3%と回答が分かれた。

 

セルフメディケーションにかかる相談対応・介入事例では、▽症状と個別性に応じた最適なセルフケア提案(195件)▽薬学的知見に基づくプロアクティブなリスク回避と適正使用の推進(221件)▽セルフメディケーションの限界を見極めた的確な受診勧奨(128件)▽地域における健康サポート拠点としての多角的・連携的介入(102件)▽患者との信頼関係に基づく心理的サポートと受診への橋渡し(84件)――が挙げられた。

 

具体的には、医療用医薬品の供給不足への対応がある。ドライアイ治療で処方されていたヒアルロン酸点眼液が出荷調整で不足した患者に対し、次回の受診まで症状を悪化させないよう代替品として市販の人工涙液を提案し、治療の継続を支援したという。

 

受診勧奨の実績についても全体の44.9%の薬剤師が直近1カ月内で「ある」と回答した。セルフメディケーションにかかる相談対応や受診勧奨については21.5%が「1年前に比べて増えた」とし、72.8%は「変わらない」と回答した。

 

石井僚特任部長は2日の定例会見で、「好事例がこれほど集まった調査報告は過去になく、セルフメディケーションは確実に根付いている」と評価。

 

「OTC医薬品を販売しない」との対応が約2割に上る結果に対しては「現実を表す結果で興味深い」とした。

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

出典:株式会社薬事日報社 

ページトップへ