薬学生が考える理想の薬局~店内イメージの一部を再現 名古屋市立大学薬学部
名古屋市立大学薬学部は1日、薬学生が設計した「みんなの薬局」を名古屋市内で発表した。地元企業の中日販売と連携して実施した実践型アクティブラーニング授業の一環で、薬局の起業・運営に対する薬学生のモチベーションを高めるのが狙い。薬学生は社会ニーズに合った薬局を考える力を培った。

薬学部4年生3人が昨年9月から12月にかけて、薬学部教員と中日販売社員らと議論を重ね、薬局の調剤スペースや待合室のレイアウト・デザインを設計した。
中日販売のショールームでその概念をパネルで展示し、店内イメージの一部を再現した。
学生は、経営面や予算は考慮せず理想的な薬局を考案し、人が多く住む住宅街にある高齢者から若者まで全ての世代が気軽に通える身近な薬局を設計した。
理想の薬局として、▽薬剤師の業務を知ってもらうため待合室から調剤室が見える▽対面の距離を近づけて服薬指導などを行いやすくするため待合室にコの字のカウンターを設ける▽イベントに応じて配置を変えることができるよう投薬カウンターの机を可動式にする――などのアイデアを盛り込んだ。
このほか、薬剤師の専門性を生かすために、OTC医薬品を陳列するのではなく、タブレットに来局理由や症状、経過、アレルギーなどを入力してもらい、そのデータをもとに薬剤師が候補の医薬品を提示して選んだ理由と共に患者に紹介する仕組みを考えた。
今回の授業は学生に対して、薬局が地域社会に果たす役割を理解して薬局運営に必要な視点や地域への貢献意識を深めることや、地域住民を個人単位だけでなく集団(コミュニティ)として捉え、いかに薬局・薬剤師が健康を支援していくかを学んでほしいとの思いで実施した。
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出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
名古屋市立大学薬学部が、薬学生3人により設計された「みんなの薬局」を発表。地元企業の中日販売と連携して実施した実践型アクティブラーニング授業の一環で、「薬剤師の業務を知ってもらうため待合室から調剤室が見える」「対面の距離を近づけて服薬指導などを行いやすくするため待合室にコの字のカウンターを設ける」「イベントに応じて配置を変えることができるよう投薬カウンターの机を可動式にする」などのアイデアが盛り込まれています。