【高市新内閣発足】創薬力向上へ意欲示す~上野氏が厚労相に就任
自民党の高市早苗総裁が21日の衆参両院の本会議で首相に指名され、同日に自民・日本維新の会による新たな連立政権が発足した。厚生労働相には、財務副大臣などを歴任した上野賢一郎衆議院議員が就任した。社会保障分野では両党の合意事項としてOTC類似薬を含む薬剤自己負担見直しや創薬機能強化などを推進していくこととなる。
22日に就任後初の記者会見に臨んだ上野氏は、連立政権樹立に伴う合意内容のうち、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しに言及。骨太方針の記載内容を引用しつつ「社会保障審議会医療保険部会でこれらの観点を踏まえながら検討していきたい」と述べた。
上野氏は、物価に連動した薬価見直し、創薬推進と医薬品の安定供給を主張しているが、2026年度薬価制度改革については「保険料負担軽減と創薬イノベーションを両立する観点での施策、従来からの課題である安定供給を論点に中央社会保険医療協議会で議論している。薬価改定のあり方は関係業界の意見を聞きながら丁寧に対応したい」と述べるにとどめた。
創薬と安定供給に向けた施策に関しては、「ドラッグロス解消や医薬品産業の国際競争力強化のために創薬力向上は重要。創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループで具体的対策を議論しているので、製薬企業、経済団体、患者団体等からの意見を踏まえて丁寧な議論を深め、創薬力向上を頑張りたい」とした。
物価高騰等を背景とした医療機関の厳しい経営状況を踏まえた、診療報酬の期中改定の有無についても「必要な対応は今後検討するので、現段階で具体的なことは言えない」とした。
上野氏は1965年8月生まれ。90年に京都大学法学部を卒業後、同年に旧自治省に入省。2005年の衆院選挙で初当選し、当選6回。国土交通大臣政務官、財務副大臣、自民党副幹事長、衆院厚生労働委員会理事などを歴任した。
自民党の明るい社会保障改革推進議員連盟会長を務め、セルフメディケーション税制拡充などを求めた提言書を取りまとめている。
出典:株式会社薬事日報社


薬+読 編集部からのコメント
自民党の高市早苗総裁が衆参両院の本会議で首相に指名され、自民・日本維新の会による新たな連立政権が発足。厚生労働相には、財務副大臣などを歴任した上野賢一郎衆議院議員が就任しました。両党の合意事項として、社会保障分野ではOTC類似薬を含む薬剤自己負担見直しや創薬機能強化などを推進していくこととなります。