医療

昨年の薬局倒産過去最高 ~ 小規模で経営破綻が顕在化 東京商工リサーチ

薬+読 編集部からのコメント

東京商工リサーチの発表によると、2025年に倒産した調剤薬局は38件と前年の28件から大幅に増加し、2年連続で過去最高を更新しました。負債1億円未満の小規模倒産が相次ぎ、全体の8割近くを占めています。

東京商工リサーチは11日、2025年に倒産した調剤薬局が38件と前年の28件から大幅に増加し、2年連続で過去最高を更新したと発表した。負債1億円未満の小規模倒産が29件と大幅に増加し、全体の8割近くを占めた。同社は26年度調剤報酬改定が医療機関の近隣に位置する、いわゆる門前薬局のあり方や地域偏在の解消が大きなテーマとされ、「今後も小規模の調剤薬局の乱立が抑制される可能性もある」と予測。主に独立系の小規模薬局で構成されている都道府県薬剤師会の会長も警戒感を強めている。

 


 

同社が公表した25年1~8月における調剤薬局の倒産件数は過去2番目の水準だったが、通年では過去最高を更新した。負債総額は44億8400万円と前年度比68.3%減となったが、負債10億円以上が1件にとどまる一方で、負債1億円未満の小規模倒産が相次いだ。

 

調剤薬局業界は大手を中心に再編の動きが活発化し、大手と独立系の小規模企業との格差が拡大し、経営維持が難しい中小調剤薬局の破綻が顕在化している。倒産の原因を見ると、「販売不振」が最多の25件で前年の2倍以上に増加。次いで「他社倒産の余波」が7件発生した。倒産の38件中「破産」が33件を占めた。

 

同社は、調剤薬局の再編やM&Aが相次ぐ背景として「深刻な薬剤師不足があり、大手が率先して賃金引き上げなどの待遇改善に着手し、薬剤師の囲い込みが進んでいる」と指摘。そのしわ寄せが中小の調剤薬局を直撃し、「調剤薬局を取り巻く事業環境は大きな転換点を迎えつつある」との見方を示した。

 

薬剤師会は、門前薬局に対する評価のあり方がテーマとされている26年度調剤報酬改定の行方を注視する。

 

今月下旬にも個別改定項目案(短冊)が公表される予定で、特に警戒感を強めているのが薬局過密地域にある薬局の調剤基本料の見直しだ。

 

中央社会保険医療協議会では、支払側委員から過疎地域にある薬局の評価を拡充し、大都市に小規模乱立する薬局を大規模化して業務を効率化すべきとの意見が出ている。特に損益率が高い大都市の場合は調剤基本料1から除外するよう要求した。

 

これに対し、東京都薬剤師会の高橋正夫会長は9日の定例会見で「小規模薬局の集約化は理屈に合わない」と反論した。日本薬剤師会の岩月進会長も13日の定例会見で「薬局密集地域の合理化という大なたを振るうとは思わない。そういう議論であってほしい」とクギを刺した。

 

26年度診療報酬改定は本体で3.09%のプラス改定となったものの、個別改定項目の結果によっては十分な機能を持たない小規模薬局に厳しい改定も予想される。

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出典:薬事日報

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