サリドマイド院外調剤へ ~ 病院、薬局の連携体制必須
サリドマイド関連製剤について、院外処方や訪問診療での取り扱いを特例的に認め、薬局薬剤師による調剤を可能とする方向で検討が進んでいる。同製剤は、妊娠初期の服用により胎児に重篤な奇形を引き起こす可能性がある催奇形性リスクを有することから、これまで院内処方を前提に、TERMSやRevMateといった厳格な安全管理手順が運用されてきた。今後も院内処方が原則でやむを得ない場合に限って院外処方を認める対応になると見られるが、院外処方や在宅医療に薬局が関与する場合、手順逸脱を防ぐ仕組みの構築が不可欠となる。
検討案では、「責任薬剤師」として登録された薬局薬剤師のみが調剤を行える仕組みとし、処方医療機関と薬局との連携体制を求める方針だ。
サリドマイド関連製剤は1950年代末の販売開始後、胎児の奇形を引き起こす副作用が判明し、社会問題となった。2008年に藤本製薬の「サリドカプセル」が多発性骨髄腫を効能・効果として再承認されて以降、レブラミド(レナリドミド)、ポマリスト(ポマリドミド)が上市され、後発品も流通している。
妊娠回避を徹底する観点から、院内処方を原則とし、使用する医療機関、医師、薬剤師、患者を登録制として、製造販売業者が処方・調剤情報を一元管理してきた。
処方医と同一医療機関に所属する薬剤師が責任薬剤師として登録され、処方時のダブルチェックや服薬指導を担っている。
院外処方を認める背景には、外来から在宅へ移行した患者が医療機関で直接薬を受け取れなくなるケースの増加がある。また、薬剤師を確保できない診療所では、医師が責任薬剤師を兼務している実態もあり、医師とは独立した立場で薬剤師が対応する必要性から、患者が利用する薬局での調剤を特例的に認める。
院外処方の実施には国による特例審査が必要で、責任薬剤師や薬局に一定の要件を課す。処方箋の授受が医療機関外で行われる点を除けば、基本的には現行の安全管理手順に沿って運用される見通しだ。責任薬剤師は処方スキームの運用責任者となるため、研修受講が要件になると見られる。
薬剤師登録が必要な医薬品には「クロザリル」「コンサータ」などがあるが、院内処方原則の薬剤を特例的に院外処方として認めるのは極めて特殊だ。厚生労働省は「当初は医療資源が乏しく、患者アクセスが限られる地域など、やむを得ない場合に限られる」との見方を示す。
一方、レアケースにとどまるとしても、薬局にはサリドマイド製剤の適正使用に関与する意識が求められる。リスク管理が必要な医薬品について、地域で薬局と医療機関が連携し、安全管理手順を遵守しながら患者をフォローする体制は、今後の地域医薬品提供体制において重要となる。
医薬局医薬安全対策課の安川孝志課長は「薬局には実際に処方スキームを運用している病院の取り組みを見ることが必要になるかもしれない。妊娠に関する指導が求められる医薬品も増えている。サリドマイド関連製剤を取り扱うことが薬剤師のレベルアップにつながる」と期待感を示す。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
サリドマイド関連製剤について、院外処方や訪問診療での取り扱いを特例的に認め、薬局薬剤師による調剤を可能とする方向で検討が進んでいます。検討案では、「責任薬剤師」として登録された薬局薬剤師のみが調剤を行える仕組みとし、処方医療機関と薬局との連携体制を求める方針です。