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更新日:2020.03.05公開日:2015.03.04 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
医薬品は「治療」を目的としていますが、医薬部外品は「予防・衛生」を目的に作られています。
医薬部外品には医薬品のような即効性はないものの、「有効成分による一定の効果が見込める」とお墨付きを厚生労働省からもらった商品なので、「育毛」「にきびを防ぐ」「肌荒れ防止」「美白(メラニン色素の生成を抑えシミ・そばかすを防ぐことによる)」などの表現ができます。
化粧品は、医薬部外品よりもさらに効果が緩和で、「清潔にする」「美化する」「魅力を増す」「健やかに保つ」ことを目的として作られています。厚生労働省の許認可は不要で、使用できない成分や上限が決められているものもありますが、各メーカーの判断で開発できます。
ただし、厚生労働省からの許可を得ていないので、医薬部外品に認められている「育毛」「にきびを防ぐ」「肌荒れ防止」などの表現をパッケージや広告で使用することはできません。
また、化粧品には全成分表示が義務づけられていますが、医薬部外品は表示指定成分を除けば全成分表示は義務ではありません。
これは、医薬部外品は全成分を厚生労働省に提示した上で製造が許可されたものであるからです。
今までの流れで考えると、それぞれの効能・効果は下記のようにいえると思います。
【医薬品>医薬部外品>化粧品】
しかし、注意してほしいのは、医薬部外品よりも化粧品の方が効果が高い場合があるということです。
医薬部外品は厚生労働省に認可された成分や濃度しか処方できないのですが、化粧品は配合が禁止されていないものであれば、メーカーの判断で処方することができるため、高濃度で効果を期待できる場合もあります。
以上のことから、
効能・効果は【医薬品>医薬部外品>化粧品】の場合もありますし、【医薬品>化粧品>医薬部外品】の場合もあるといえます。
これは薬剤師でも意外と知らない人が多いので、「医薬部外品は化粧品より勝る」という考えは捨てましょう! とはいえ、もちろんすべての化粧品が医薬部外品に勝るわけではないので、商品次第ということになります。
私は、成分の配合量や使う成分にこだわることができ、効果が期待できるような、本当に良いものを作れるのは化粧品だと思っています。
宝探しをするような感覚で、良い化粧品探しをすると楽しいかもしれませんね☆
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