ビューティー
更新日:2020.03.05公開日:2015.12.07 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
冬になって空気が乾燥していると指先や手が荒れてしまうこと、ありますよね。
特に一包化が多いときはヒートから錠剤を取り出してばかりで爪を傷めてしまったり、手が乾燥して作業がやりにくくなってしまったり……そんな経験をしたことがある薬剤師さんも多いのではないでしょうか。
一包化の作業に限らず、日常的な手洗いやアルコール消毒をすることでも手は荒れやすくなります。とはいえ、薬剤師の仕事として衛生面をおろそかにするわけにはいきませんね。
今回はそんなときに知っておきたいネイル・ハンドケア、ハンドクリームの基礎知識を、2回にわたってご紹介します。
手荒れの原因とは?
手荒れが起きる大きな原因は、手の皮脂が失われてしまうことにあります。
水が原因で起こるもの、乾燥が原因で起こるもの、特にこの2つが手荒れに関係しています。
薬剤などのアレルギーが原因で起こるものもありますが、こちらは通常の手荒れとは別です。
アレルギーが原因で起こる手荒れは病院での治療が必要になるため、通常の手荒れとは区別して考えましょう。
ハンドクリームとは?
「手や爪の乾燥を防ぐ」または「乾燥してしまった肌を滑らかにしたり、水分・油分・栄養を与えて保湿する」ためのクリームです。
ハンドクリームはその名の通り、「手」のケアに特化したクリームです。
クリームにはハンドクリーム以外にもフェイスクリームやボディクリームなどさまざまなタイプのものがあります。
フェイスクリームやボディクリームを手に使用してはいけないわけではありませんが、ハンドクリームは手に適した成分が配合されていたり、ベタベタしない使用感になるよう工夫してあったりと、その他のクリームとは違う処方で作られていることが多いです。
ハンドクリームの種類について
一言で「ハンドクリーム」といっても、配合成分によってその種類は異なります。
代表的なものは、下記のように大きく3種類に分類されます。
・保湿系
・尿素系
・ビタミン系
では、それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。
◆保湿系ハンドクリーム◆
ヒアルロン酸・グリセリン・セラミド・シアバターなどが配合されているもののことをいいます。
乾燥によるかさつきや粉っぽさが気になるときに使用するのがおすすめです。
ヒアルロン酸は1gで水6リットル分を保持できる物質で、保水力に優れた成分です。またグリセリンは吸湿性が高い物質で、ヒアルロン酸のように保湿だけを行うのではなく、水分を外部から取り込み保湿することができます。
◆尿素系ハンドクリーム◆
尿素が配合されているもののことをいいます。
指先や手の甲などの角質が厚くなりゴワゴワしているときに使用するのがおすすめです。
尿素系ハンドクリームには、尿素の配合濃度が10%のものと20%のものがあり、10%のものは「医薬部外品」、20%のものが「医薬品」として販売されています。
角質はタンパク質でできていますが、尿素は角質のタンパク質の間に入り込み、タンパク質を破壊することで古く、硬くなった角質を取り除いて肌を柔らかくするのです。
ピーリングをイメージしていただければわかりやすいかもしれません。
また尿素は水分を逃がさないように働くため、肌を乾燥から守る効果もあります。
◆ビタミン系ハンドクリーム◆
ビタミンE・B・C・Aなどが配合されているもののことをいいます。
ささくれ・ひび・あかぎれなどがあり、かるいかゆみや冷えが気になるときに使用するのがおすすめです。
ビタミンEは毛細血管の血液循環をよくするため、指先の血行を促進してくれます。ビタミンAは肌のターンオーバーを促進し、ビタミンCは肌のくすみ対策にもおすすめの成分です。
それぞれのハンドクリームの特徴、わかっていただけましたか?
次回は手荒れを予防するためのハンドケアと、乾燥や手をアルコールで消毒するなどの理由でも起こりやすくなる「ささくれ」のケア方法をお伝えします!
あわせて読みたい記事