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Q128 部下が起こした調剤過誤に、責任者としてどう謝罪をすべき?
Q128 部下が起こした調剤過誤に、責任者としてどう謝罪をすべき?
この夏から管理薬剤師となり働いています。新人薬剤師が調剤過誤を起こしてしまい、患者さんのお宅への謝罪に同行することになりました。患者さんからの電話で秤取量のミスが発覚し、幸いなことに服用前に気付くことができましたが、絶対にあってはならないことです。薬局の責任者として、どのような姿勢で謝罪に臨むべきでしょうか。

Answer
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誰のミスでも、常にチームの代表として謝罪する
自分のミスではないのに謝罪しなければならない……管理者になると避けては通れない業務ですね。相談内容からは、「尻ぬぐいなんてしたくない」「できればかかわりたくない」というような責任逃れのイメージは感じられず、責任者として真摯に謝罪しようと思う相談者さんの熱意とやる気が伝わってきます。
 
実は、謝罪そのものに、誰のミスかということは関係ありません。自分のミスであろうがなかろうが、薬局=チームのミスであることに変わりはないのですから、上司はチームの代表として謝罪します。決して部下の代わりに謝罪するのではないのです。組織の問題として謝罪する。危機管理、リスクマネジメントの基本だと思います。
 
調剤ミスは絶対にあってはならないことですが、一方で、ミスやトラブルがゼロになることもありません。人はミスをするものだからです。いかにミスを減らすか、ミスが出たらどのように対応するか、さらに起こってしまったミスを今後にどのように活かすのか、日頃からチーム全体で話し合い、取り組むことが大切です。
 
謝罪に行く場面は緊張しますが、ここでは自分のプライドも関係ありません。薬局の仕事がチームで成り立つ以上、いつどんなときでも、部下の失敗を自分の失敗としてとらえ、責任者としての成長につなげてほしいと思います。
 

自分が部下の立場だったら、どんな謝罪をしてほしいか考える
謝罪の基本については「Q76. 調剤過誤が起きた場合の謝り方」にお答えしていますので、ここでは部下のお詫びに同行するときに気を付けたいポイントをまとめてみます。
 

1.しっかり丁寧にお詫びする
たとえ部下のミスでも、自分が当事者のつもりで心を込めてお詫びします。表面的な謝罪では誠意が感じられず、二次クレームにつながりやすいので気を付けましょう。
 
2.言い訳や責任逃れと受けとられる言動をしない
「このようなミスが起きないよう、いつも指導していたのですが……」などと自分に落ち度はないと言ってみたり、「常日頃から注意してきましたが、このようなことになってしまい、私も困っています」というように被害者意識や尻拭いをさせられて困っていると匂わせたりするのはNG。部下の失敗も上司の自分が責任を取る、という気持ちで臨みましょう。

 
クレーム対応や謝罪は、患者さんとの信頼を深めるきっかけになると以前お伝えしましたが、謝罪は部下との関係を深めるチャンスでもあります。部下のミスは自分のミス、と心の底から思って対応できれば、チームからの信頼が厚くなり、チーム運営がやりやすくなるなど、薬局全体にとっても自身にとってもメリットが大きいと思います。
 
自分が部下の立場だったら、上司にどんな謝罪をしてほしいかを考えてみれば、自身のとるべき態度が見えてきます。危機管理としてだけなく、チーム運営の面からも考えると、より一層明確になります。緊張する場面ですが、患者さんと部下、双方の信頼を得られるよう頑張ってください。

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チームの代表として、心を込めて謝罪しましょう。部下やチーム全体から信頼を得るきっかけになります。
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村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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