薬剤師のお悩みQ&A 更新日:2023.04.27公開日:2014.10.20 薬剤師のお悩みQ&A

第8回 藤本和子 先生

日本では、毎年多くの人が自然災害による被害を受けています。災害の種類によっては、被害を受けやすい地域と、そうではない地域に差はあるものの、これまで被害を受けたことのない薬局でも、今後いつ、どのような災害に見舞われるかわかりません。
そこで今回は、日本災害医療薬剤師学会の理事を務めている藤本和子先生に、災害に備えて薬剤師が普段から準備しておくべきこと、また、災害当日に薬剤師が行うべきことにはどのようなことがあるのかうかがいました。

Q
 
これまで3回にわたり、災害時の準備についてうかがいました。では、実際に被災した場合、薬局でできることには何があるでしょうか。

 

まずは自分の安全確保、次に家族の安全を確認

まずは自分たちの安全を確保。次いで、家族や大切な人が安全であることを確認することが大切です。自分と家族の安全が確保されていないと、不安や心配がつきまとい、仕事に支障が出てしまいます。

 

自分たちの現状を外部に伝える

「建物が倒壊するなど深刻なダメージを受けて患者さんを受け入れられない」「薬局内でスタッフや患者さんがけがをしてしまった」など、薬局の現状を発信することも大切です。
情報を発信しさえすれば、情報を受け取った支援者が、「近所の○○薬局は無事だから、そこで患者さんの受け入れをしていますよ」といった情報を返してくれるかもしれません。
準備したさまざまな情報発信手段を用いて、薬局の状況を外部に伝えるようにしましょう。

 

けが人の応急処置は積極的にしよう

万が一、薬局内で受傷者が出た場合、ちょっとした傷の手当てなどは実施しましょう。また、具合の悪くなった人がいたら、訴えを聞き、バイタルサインをとるなどして、スムーズに次の医療従事者に患者さんの身体状況を報告・伝達できるよう、メモを残します。
こうした処置ができるように、平時からトリアージについて勉強をしておくと良いですね。

 

災害時には不測の事態に陥り、臨機応変な対応が求められることもありますが、日頃から「こういうときには、どうしたらいいのだろう」と、災害に対する対応方法をシミュレーションし、準備を重ねておけば、これらの努力はきっと患者さんの役に立ちます。
この機会に、一度薬局スタッフ全員で災害に意識を向けて準備をしてみてはいかがでしょうか。

まずは自分の安全確保、次に家族の安全を確認

まずは自分たちの安全を確保。次いで、家族や大切な人が安全であることを確認することが大切です。自分と家族の安全が確保されていないと、不安や心配がつきまとい、仕事に支障が出てしまいます。

 

自分たちの現状を外部に伝える

「建物が倒壊するなど深刻なダメージを受けて患者さんを受け入れられない」「薬局内でスタッフや患者さんがけがをしてしまった」など、薬局の現状を発信することも大切です。
情報を発信しさえすれば、情報を受け取った支援者が、「近所の○○薬局は無事だから、そこで患者さんの受け入れをしていますよ」といった情報を返してくれるかもしれません。
準備したさまざまな情報発信手段を用いて、薬局の状況を外部に伝えるようにしましょう。

 

けが人の応急処置は積極的にしよう

万が一、薬局内で受傷者が出た場合、ちょっとした傷の手当てなどは実施しましょう。また、具合の悪くなった人がいたら、訴えを聞き、バイタルサインをとるなどして、スムーズに次の医療従事者に患者さんの身体状況を報告・伝達できるよう、メモを残します。
こうした処置ができるように、平時からトリアージについて勉強をしておくと良いですね。

 

災害時には不測の事態に陥り、臨機応変な対応が求められることもありますが、日頃から「こういうときには、どうしたらいいのだろう」と、災害に対する対応方法をシミュレーションし、準備を重ねておけば、これらの努力はきっと患者さんの役に立ちます。
この機会に、一度薬局スタッフ全員で災害に意識を向けて準備をしてみてはいかがでしょうか。

藤本和子先生プロフィール
共立薬科大学薬学部卒、薬学博士。共立薬科大学薬理学講座助手、生体内物質の微量測定を中心に脳内物質の研究に従事。2005年より薬剤師卒後教育の生涯学習センター専任教員、2009年より現職の慶應義塾大学薬学部生涯学習センター助教に就任し、既卒薬剤師に必要な学習提供の場を推進している。また、災害医療支援薬剤師の養成、およびSports Pharmacist活動を行っている。