後発品数量が平均上回る~滋賀県の使用状況を報告
滋賀県は24日、大津市内で2019年度の後発品安心使用促進協議会を開き、医師会、薬剤師会、後発品メーカー、医薬品卸、保険者団体などの委員が集まり、県下の後発品使用促進に向けた課題の情報共有を行った。現在、県の後発品数量割合は昨年3月時点で78.2%と全国平均の77.7%を上回る状況で推移。18年度の73.5%と比べて4.7ポイントの伸び率を示すなど、9月の80%達成に向け順調に推移している現状が報告された。
協議会では、県内における後発品の使用状況を把握するため、県内全病院(57施設)を対象に実施したアンケート調査結果(昨年11月27日~12月26日実施)が報告された。
院外処方箋の発行状況は80%以上が全体の76.6%で、20%未満が14.8%だった。一般名処方加算は「一般名処方加算1」「同2」とも算定していない病院が43.7%あった。後発品使用体制加算の算定状況は「後発品使用体制加算1」を算定する病院が45.8%だったが、同加算を算定しない病院も43.8%あった。
包括医療費支払い制度(DPC)における採用状況は、DPC採用病院は準備中も合わせて36.2%、採用していない病院が63.8%だった。オーダリングシステムの導入状況は79.2%が導入しており、このうち一般名処方に対応したシステムが整備されている病院は66.7%だった。後発品名表示の対応は6.3%となり、オーダリングシステムを導入していない病院は20.8%となった。
後発品の採用状況は、1病院当たりの採用品目数が265品目。採用医薬品に占める後発品の割合は29.1%だった。数量シェアは33病院中27病院が80%を超えていた。
後発品採用時に重視することを尋ねると、「医薬品メーカー、卸売業者の供給体制が整備されていること」を挙げたのが34施設と最も多く、次いで先発品と適応症が同じであることが26施設あった。後発品の推進に積極的になれない理由として、「患者の希望がない」「先発品との価格差が小さい」のほか、「供給体制への不安」「先発品との適応症の違い」との回答もあった。また、後発品使用促進の問題点への意見でも安定供給と適応症について多くの意見が出た。
後発品で欲しい情報については29施設が「卸業者の供給体制」を挙げており、病院は後発品の安定供給を最も重視していることが分かった。
フォーミュラリーについては、定めている病院はなかったが、22%の施設が「今後定める予定がある」と回答。その中での薬効群はプロトンポンプ阻害薬、ACE阻害薬・ARB、HMG-CoA還元酵素阻害薬の順に多かった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
後発品数量割合で全国平均をやや上回る使用状況(昨年3月調べ)の滋賀県では、1月24日、大津市内で2019年度の後発品安心使用促進協議会を開催。県内における後発品の使用状況を把握するため、あらかじめ昨年末に県内全病院(57施設)を対象に実施されたアンケート調査結果が報告されました。後発品採用時に重視することについては「医薬品メーカー、卸売業者の供給体制が整備されていること」を34施設が挙げており最多。後発品で欲しい情報については29施設が「卸業者の供給体制」を挙げており、病院側としては後発品の安定供給を最も重視していることが判明しました。