24年4月に薬学部開設検討~医療総合大学の特色出す【順天堂大学】
順天堂大学は2024年4月に、千葉県浦安市の浦安・日の出キャンパスに6年制の薬学部薬学科(仮称)を開設するための準備を進めると発表した。今後、薬学部教員の構成や医療総合大学として薬学部の特色をどう打ち出していくか検討する。23年4月までに文部科学省に薬学部設置の申請を行う予定で、医学部や看護学部、六つの医学部附属病院と連携して研究マインドを持った臨床能力の高い薬剤師を養成していきたい考えである。
順大は、医学部、スポーツ健康学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部、医療科学部の7学部や大学院を擁する医療系総合大学。24年4月に浦安・日の出キャンパスに薬学部の設置を検討し入学定員数は160人でスタートする方針だ。
薬学部を開設する構想を発表したことについて、順大新学部開設準備室は「タイミングを捉えての判断」とコメントしたのみで、設立の具体的な経緯や狙いは明らかにしていない。
医学部附属病院や医学部・看護学部と“オール順天堂体制”による連携を通じて、研究マインドを持った臨床能力の高い薬剤師の養成を目指す。こうした研究体制を強みに、将来的には大学院設立も構想に入れているという。
大学薬学部をめぐっては、新設ラッシュが続き、入学定員数が大幅に増加し、現在は4年制を含めると77学部で入学定員は1万3050人に膨れ上がっている。それに対し、20年度の入学充足率で全国私立大学薬学部・薬科大学の約4割が90%以下となっているのが現状だ。
特に18年以降に新設された5大学・学部のうち、岐阜医療科学大学は20年度充足率が79%、21年度は78%と2年連続で定員割れとなっている。神奈川県の湘南医療大学は定員130人に対して入学者数はわずか34人にとどまり、充足率は26%と低調だった。
将来的に薬剤師が過剰になるとの需給推計結果を踏まえ、定員割れが相次ぐ大学薬学部の新設については「慎重に考えるべき」との声が上がる。入学志願者数が減少し、大学間競争も激しくなる中、順大は他の医療系学部との多職種連携を前提とした薬剤師教育をアピールし、差別化を図りたい考え。
「首都圏における薬学部新設のニーズを調査し、浦安キャンパスであれば学生を確保できると考えた。需給の問題はこれから具体的に検討していく。薬剤師国家試験のストレート合格も目指せるようにしていく」(新学部開設準備室)としている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
医学部、スポーツ健康学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部、医療科学部の7学部や大学院を擁する医療系総合大学の順天堂大学が2024年4月に、千葉県浦安市の浦安・日の出キャンパスに6年制の薬学部薬学科(仮称)の開設準備を進めると発表しました。今後、薬学部教員の構成や医療総合大学として薬学部の特色をどう打ち出していくか検討します。順大新学部開設準備室は「タイミングを捉えての判断」とコメントしたのみで、設立の具体的な経緯や狙いは明らかにしていません。