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ドラスティックな変化必要~首藤会長「薬剤師業務はICT化を」【日本保険薬局協会】

薬+読 編集部からのコメント

調剤業務の効率化をめぐり、様々な規制改革要望が出されている中、薬事日報社のインタビューに答えた日本保険薬局協会(NPhA)の首藤正一会長(アインホールディングス代表取締役専務)が、、国が検討を進める調剤業務のICT化や非薬剤師の活用について「前向きに議論されるべき」との考えを提示。対物業務から対人業務への構造的転換が重視される中、「薬剤師以外の人でも行える業務の移行やオートメーション化はドラスティックに行っていくべき」と規制改革の方向性を支持しています。

日本保険薬局協会(NPhA)の首藤正一会長(アインホールディングス代表取締役専務、画像)は、本紙のインタビューに応じ、国が検討を進める調剤業務のICT化や非薬剤師の活用について「前向きに議論されるべき」との考えを示した。対物業務から対人業務への構造的転換が重視される中、「薬剤師の対物業務は決して減少しておらず、増えている。そこに『対人』と言われる業務が新たに加わっていることを考えると、薬剤師以外の人でも行える業務の移行やオートメーション化はドラスティックに行っていくべき」と規制改革の方向性を支持した。

 

調剤業務の効率化をめぐっては様々な規制改革要望が出されている。6月に閣議決定された規制改革実施計画では、「薬局における薬剤師の対人業務を充実させるため、調剤技術の進歩や医薬品の多様化等の変化を踏まえ、調剤に係る業務プロセスのあり方を含め、医療安全を確保しつつ調剤業務の効率化を進める方策を検討し、必要な見直しを行う」とされ、今年度から検討を開始し、早期に結論を得るとの方針が示された。

 

首藤氏は、「医薬品供給は薬剤師の重要な役割であり、監査を中心とした確認業務は決して減少しておらず、後発品の問題を考慮すればかえって増えている」と対物業務が増加している現状に懸念を示す。そこに、対人業務と呼ばれる服薬指導やフォローアップ、薬物治療に関わる情報収集・提供などが求められており、「薬剤師に期待されている仕事の幅が増えている」と分析する。

 

薬剤師業務が増大する状況から、「薬剤師以外の人でも行える業務はICT化や機械化で置き換えていかないといけない」と規制改革の方向性には賛同する。ICT化をどこまで進めていくかについては「各企業の考え方にもよる」としたものの、「基本的には薬剤師が行わなくても対応できる業務は全てICT化・機械化すべき。そうしないと、薬剤師は疲弊し、医師の働き方改革に至った背景と同じ問題が浮上してくる」と述べ、範囲を限定すべきでないとの考えを示す。

 

非薬剤師の活用については「対人業務を実施する必要性から改善の余地がある」と検討課題とする一方、調剤業務の外部委託は「かなり慎重に考えないといけない」と消極的な姿勢だ。

 

首藤氏は、調剤業務の外部委託が困難な理由として、「同じ企業内、グループ内の調剤の委託であれば、責任の所在が明確で可能かもしれないが、委託者と受託者で組織・法人が異なると、調剤業務について責任の所在が分担され、なかなかハードルが高い」と説明する。

 

医薬品医療機器等法の一部改正で、8月からスタートした認定薬局制度についても言及。「認定状況だけを見ても会員企業の姿勢は積極的ではないか」と評価する。一部には大手チェーンだけが取れる仕組みになっていると批判的な見方もあるが、「薬局、薬剤師が地域医療に貢献するための連携薬局と受け止めて積極的に動いている。要件を満たし、認定を受けた薬局は相応の機能と実績を備えているわけなので、地域連携薬局の仕事を評価してもらうことが重要」と話す。

 

認定薬局の制度定着に向けては、「地域内で薬局同士の連携が重要になる」と強調。「条件を満たせない薬局は認定薬局と連携することで医療機関や多職種とつながることができる。全ての薬局が認定を取ることが目的ではなく、高度な知識を有した薬剤師がいて、設備も整った薬局が一定数存在することが大切になる」と述べ、地域医療連携における認定薬局の役割に期待感を示した。

 

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出典:薬事日報

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