46品目出荷停止の可能性~業務改善命令受け【辰巳化学】
辰巳化学は2日、同日に石川県から承認内容と異なる製造を行ったなどとして受けた業務改善命令に関連する後発品27成分46品目について、発送センターの在庫がなくなり次第、一時出荷停止する可能性があると医療関係者向けサイトで明らかにした。
対象は、同社が製造販売する製品のうち、製造方法または試験方法が承認書と異なっていることが発覚した製品。承認書との相違を解消するには承認事項の一変が必要になる。それら対応を進める間、対象製品の製造、出荷ができなくなる。相応の時間を要することから発送センターの在庫がなくなり、出荷停止に至る可能性が高いことから、文書で医療関係者向けに情報提供した。
対象製品は次の通り(「レプリントン配合錠」以外は屋号「TCK」略)
▽「アゼラスチン塩酸塩錠」0.5mg、1mg▽「アロプリノール錠」50mg、100mg▽「イブプロフェン錠」100mg、200mg▽「エチゾラム錠」0.25mg、0.5mg▽「エパルレスタット錠」50mg▽「エペリゾン塩酸塩錠」50mg▽「クラリスロマイシン錠」200mg、「同錠小児用」50mg▽「サルポグレラート塩酸塩錠」50mg、100mg
▽「ジクロフェナクNa錠」25mg▽「ジメモルファンリン酸塩錠」10mg▽「スピロノラクトン錠」25mg▽「スマトリプタン錠」50mg▽「セチリジン塩酸塩錠」5mg、10mg▽「ドキサゾシン錠」0.5mg、1mg、2mg、4mg▽「トスフロキサシントシル酸塩錠」75mg、150mg▽「トリアゾラム錠」0.125mg、0.25mg
▽「ナフトピジルOD錠」25mg、50mg▽「ニトラゼパム」10mg、「同細粒」1%▽「ピタバスタチンCa錠」1mg▽「ピルシカイニド塩酸塩カプセル」25mg、50mg▽「ファモチジン錠」10mg、20mg▽「フルニトラゼパム錠」1mg、2mg
▽「メコバラミン錠」500μg▽「モンテルカスト錠」5mg、10mg、「同チュアブル錠」5mg▽「レバミピド錠」100mg▽「レプリントン配合錠L100」▽「ロキソプロフェンNa錠」60mg
同社は2日、市場流通している製造販売品については違反内容が有効性・安全性に影響しないとして、現時点で自主回収等の実施予定はないと説明していたが、承認書との相違については解消に向け適切な対応を進めるとしていた。
同社が石川県から業務改善命令を受けたのは、同社の自主点検結果の報告から、医薬品製造などでの医薬品医療機器等法違反が確認されたため。具体的な違反内容として、▽同社製造所で製造する製品について、承認書と異なる方法により製造、試験を行ったこと▽製品等のロットごとの試験検査に係る業務を適切に行わず、虚偽の試験記録書を作成したこと▽同社製造所で製造し、製造販売する医薬品について、承認事項と製造実態が異なるにも関わらず、承認事項の変更等に係る承認取得、届出の必要な薬事手続を行わなかったこと――などが指摘された。
これを受け同社は、「行政処分を重く受け止め、二度と同様の事態を引き起こさぬよう関連法令の遵守を徹底し、当局の指示に従い相違の解消に向けて適切な対応を進め、確かな品質の製品を供給することで、患者さんと家族、社会からの信頼回復に向けて誠心誠意努めていく」とのコメントを発表した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
9月2日、辰巳化学は石川県からの業務改善命令に関連する後発品27成分46品目について、発送センターの在庫がなくなり次第、一時出荷停止する可能性があると医療関係者向けサイトで明らかにしました。対象は製造方法または試験方法が承認書と異なっていることが発覚した製品で、承認書との相違を解消するには承認事項の一変が必要になるため、対応を進める間、対象製品の製造、出荷ができなくなる見込みです。