本記事は株式会社ネクスウェイが提供する「医療情報おまとめ便サービス」2016年9月号特集「薬剤師の在宅医療現場に迫る」P.1-2を再構成したものです。
千葉県木更津市 とみざわ薬局 大和店
冨沢産業株式会社 統括部長
冨沢 道俊さん
http://www.tomizawa-ph-group.co.jp/
在宅訪問に1日密着
8:45 薬局のスタッフ全員が参加しての朝礼を取り仕切ります。その日の仕事内容を確認しながら、情報交換を行います。
冨沢さん 「朝礼はスタッフのモチベーションを上げるためにも重要です」
9:00 車に、昨晩のうちに用意しておいたお薬を詰め込んで、いざ出発!
10:00 この日の2件目のお宅に到着。ここでは「サービス担当者会議※」が行われ、患者さんの現在の状況や今後の方針などについて情報交換が行われました。
※サービス担当者会議のその他の参加者:ケアマネージャーさん、在宅診療所の看護師さん、デイサービス、ショートステイ、貸しベッド業者の担当者さん
► 【関連記事】在宅と外来を両立する薬局ではどのようにスキルを磨いているのか~かもめ薬局の事例~
半径10km圏内に薬局がなく、在宅サービスがなければお薬を取りに行くだけでも大変です。
11:00 3軒目は、在宅でターミナルケアを受けているがん患者さんのお宅です。冨沢さんは、お薬カレンダーを見て服薬状況を確認し、あらかじめ担当医と相談しておいた通り一包化されたお薬の中から鎮痛薬を抜き取りました。
医師に報告の上、抜き取りの指示をもらっておいたそうです。
抜き取り後は、100円ショップでも売っているハンディーシーラーで袋を閉じます。
ここでは在宅診療所の看護師さんと遭遇。一緒に患者さんのバイタルを確認します。
12:00 2ヶ月ほど前から担当することになったサービス高齢者住宅に到着。前日の夜に薬局のスタッフ総出で一包化した20人分のお薬を、看護師さんと一緒に個々に確認していきます。お薬の変更内容なども伝えます。
最後に、当施設における服薬管理方法の能率化についてアドバイス。医師に帯同して、担当するすべての患者さんの往診は既に済ませてあります。
アドバイスしてくれて、みるみるうちによくなって驚きました」。
お薬を何回かに分けて運び込む冨沢さん。
14:30 ようやく昼ご飯。
冨沢さん 「医師の適切な判断の元となるような情報提供をいつも心掛けています」
16:00 インスリン注射器が壊れたとの電話連絡を受けて急遽、お宅訪問。見てみると、インスリンを使い切ってダイアルが回らなくなっていました。
► 【関連記事】薬剤師が在宅医療に介入するために必要なこととは?岐阜県高山市の連携事例
その足で地域包括支援センターへ。担当者さんに、先ほどの患者さんには医師を含めた在宅サービスが必要でないかと提案します。現状、薬剤師による在宅サービスしか受けられていないそうです。
17:00 今日は契約上の訪問日ではないのですが、せっかく近くまで来たからと独居のご高齢者宅を訪問。
毎日夕方に外から聞こえてくるメロディを聞くと不安でパニックになるという患者さんです。バイタルをとって、世間話をするだけで、患者さんはうれしそう。
冨沢さんは、「薬局でーす」と言ってお宅に入られます。さりげなく部屋の様子を眺めて何か異変はないかも確認するそうです。
19:30 その日の在宅業務を終了。
出典:株式会社ネクスウェイ「医療情報おまとめ便サービス」特集2016年9月号
あわせて読みたい記事