岩手県盛岡市で薬剤師のための研修や情報提供を行う合資会社「どんぐり工房」を設立した著者が、薬剤師として必要な技術や仕事への取り組み方を優しく解説しています。
前半では、著者の学生時代のエピソードから、実家の薬局を継いで奮闘する若い頃やその後の病院勤務の体験、そこで感じた「患者さんのための医療」の大切さなどが語られています。そして、後半ではそのようなさまざまな体験から生まれた、副作用を早期に発見する独自理論「副作用機序別分類」について詳しく解説されています。「なぜ学ぶことが必要なのか」を知ったうえでモチベーションを持って読み進めることができるため、勉強嫌いな人、飽きっぽい人にも読みやすいのではないでしょうか。
この本には、仕事をするうえで原点となる「誰のために仕事をするのか?」を改めて考え、薬剤師としてどうあるべきなのかを見つめ直すヒントが豊富に詰まっています。そのため、今の仕事への取り組み方を見直したい人にも最適。著者の優しく穏やかな語り口から誠実な人柄が伝わってきて、「こんな薬剤師になりたい!」と思えるかもしれません。