医療

厚労省・大原薬事企画官「活躍の場広げること重要」~薬局薬剤師19万人活用を

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省の大原薬事企画官は、薬局・薬剤師が地域で信頼される存在になるためには「活躍できる場を広げていくことが重要」との考えを示し、「(約19万人の)薬局薬剤師の数の強みがあるので、それをどう生かしていくかが課題になる」と指摘しました。

厚生労働省医薬局総務課の大原拓薬事企画官(写真)は7日、札幌市内で行われた北海道薬学大会で講演し、薬局・薬剤師が地域で信頼される存在になるためには「(薬剤師自身が)活躍できる場を広げていくことが重要」との考えを示した。「薬局・薬剤師には世の中の変化への対応力が求められている。(約19万人の)薬局薬剤師の数の強みがあるので、それをどう生かしていくかが課題になる」と指摘した。また、「個々の薬局としての取り組みだけではなく、公共的観点から薬局間の協力・連携による取り組みも強化する必要がある」との考えを示した。

病院薬剤師と薬局薬剤師の業態偏在が課題とされる中、薬局薬剤師は年々増加しており、19万人を突破した。大原氏は「薬剤師の需給推計では、このままいくとどこかで頭打ちになり、文部科学省でも(大学薬学部・薬科大学の)定員抑制を始めた」と薬剤師余剰の問題を指摘した。

 

一方で、「先を見据えていくと他の医療職種が減り、地域でどうやって医療を維持していくかという課題がある」とし、地域の状況によっては医療資源として薬剤師を活用していく場面が生じると予測した。

 

薬局薬剤師の数の強みを生かし、地域での様々な医療ニーズに対応できるよう「薬剤師が活躍できる場を創出していくことが重要」と語り、対人業務の充実、対物業務の効率化、地域での薬剤師需要の創出などに自ら取り組む必要性を示した。

 

薬局・薬剤師に期待することして、日常での住民との関わりも挙げた。新型コロナウイルス感染症への対応で、健康相談や一般用医薬品の販売、服用後のフォローアップなど継続して患者と関わる機会が増えたことを契機に、「調剤中心から地域住民への情報発信を含めた公衆衛生向上のための役割強化にもつながったのではないか」と述べ、積極的なコミュニケーションを通じて患者と関わり“真のかかりつけ薬剤師”を目指すよう呼びかけた。

 

地域に必要な薬剤師サービスを提供するためには薬局間連携の推進も重要とした。休日・夜間での在宅を含む地域医薬品提供体制をめぐり、厚労省の検討会で薬局機能について議論が進められる中、「地域でトップレベルの薬局が個々の薬局として活動することも大事だが、地域で必要な薬剤師サービスや輪番制も含めた役割分担で公共的観点からの取り組みも大事になるので期待したい」と語った。

 

一方、DX推進については、「デジタル化することが目的ではなく、どうやって業務を効率化するのか、もしくは効果的にどのように活用していくのかが課題」とした上で、「導入には一定の手間や費用がかかるが、それを乗り越えた先により効果があるので、中長期的なところを見据えてやっていただきたい」と協力を要請した。

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出典:薬事日報

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