処方せん

リフィル、分割調剤を検討

薬+読 編集部からのコメント

4月16日の規制改革会議において、「医薬分業推進の下での規制の見直し」の論点がいくつか示されました。かかりつけ薬局の機能強化、医療機関の敷地内に薬局を開設するかどうか、新薬の14日処方制限についてなど、さまざまな議題が検討されています。

経営の独立性確保 罰則強化で

内閣府は16日、規制改革会議の健康・医療作業部会に「医薬分業推進の下での規制の見直し」についての論点を提示した。かかりつけ薬局機能を高めることを目的に、リフィル処方箋の導入や分割調剤の見直しに関する検討を加速させることを提案。会議側と厚生労働省は、薬局のかかりつけ機能を診療報酬などで重点的に評価すべき、との認識で一致した。

 

今後、6月の答申や規制改革実施計画にどう盛り込むかについて、厚労省と調整する。また、医療機関の敷地内に薬局を開設してはならないとする構造上の規制の見直しも求めたが、経営の独立性は罰則の強化などで確保できると主張した会議側に対し、厚労省は経営上の独立性を確保するには構造上の独立が必要と慎重な姿勢を示し、結論は出なかった。

 

規制改革会議WGが論点提示

3月の公開ディスカッションでは、「医薬分業における規制の見直し」をテーマに掲げていたが、医薬分業を前提としつつ、その効果を検証し、分業のあり方を見直すとの趣旨から、「医薬分業推進の下での規制の見直し」に変更した。論点は、医薬分業をテーマに取り上げた「公開ディスカッション」を踏まえ、さらに議論が必要とされた事項。

 

医薬分業のコストとメリットをめぐって、患者が薬局に支払う費用と受けるサービスが見合っていないと感じる国民が多い現状を踏まえ、薬局に対する診療報酬を見直すことを提案。

その上で、調剤技術の進歩や高齢化の進展に伴い、薬剤師の業務内容が大きく変わっているため、在宅医療への関与など、専門性を生かした業務のあり方を改めて検証すべきとした。

また、医薬分業の効果を検証するため、厚労省が定性・定量の両面から評価し、政策目標を明確化させることも求めた。

 

会議終了後に会見した内閣府の大熊裕二規制改革推進室参事官によると、薬局のかかりつけ機能の部分に、診療報酬点数を重点化すべきという考え方については、会議側委員と厚労省で「同じ方向を向いていた」とした。

 

医療機関と別の場所に薬局を設置しなければならないとする構造上の規制については、薬剤師が医師と独立した立場で薬学的管理を行う必要性を示しつつ、医療機関と薬局の独立性が確保されるのであれば、規制を見直すよう求めた。

 

会議側委員が「厳罰の強化といった手法で経営上の独立性は担保できる」と主張したのに対し、厚労省は、薬局が同じ敷地内にあれば、特定の医療機関からの処方箋が集中して、経営の独立性が担保できなくなると反論し、意見が対立した。

 

新薬の14日処方制限も見直し

この日の会議では、新薬の処方日数制限についても議論した。現行では、新薬は一定期間、患者の観察を十分に行う必要があるとの観点から、抗HIV薬など一部の薬剤を除き、薬価収載の翌月から1年間は原則として1回14日分までしか処方できない。

 

これに対して会議側は、「仕事などで2週間に1回の通院が困難な患者もいる」と指摘し、処方日数の制限見直しを進めるよう求めた。今後、この提案を答申や規制改革実施計画にどう盛り込むかについて、厚労省と調整する。

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出典:薬事日報

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