【文科省薬学部調査】退学率2割台がやや増加~ストレート合格率は横ばい
文部科学省は10月31日、6年制薬学部における2025年度の退学率等に関する調査結果を公表した。退学率では、千葉科学大学の39.3%が最も高く、前年度と異なり4割台の大学は見られなかった。国公立大では退学率が1割を超えた大学は前年度と同一の3校。25年度薬剤師国家試験のストレート合格率でも、千葉科学大の14.8%のみが1割台となり、50%を下回った大学は前年度から1校増の23校だった。
5回目となる今回の退学率に関する調査では、19年度に6年制薬学部に入学した人の退学者の割合を公表した。私立大57校の退学率は千葉科学大の39.3%が最も高く、姫路獨協大33.3%、北陸大33.1%、日本薬科大32.4%と3割台は4校で、前年度調査から1校減だった。
2割台の大学は、第一薬科大29.9%、医療創生大29.8%、大阪大谷大28.4%、青森大27.8%、奥羽大25.7%、九州医療科学大25.6%、兵庫医科大25.0%、城西大22.9%、横浜薬科大21.7%、徳島文理大20.8%の10校で、前年度から2校増加した。
退学率が最も低かったのは福岡大の1.7%で、星薬科大2.7%、安田女子大3.6%、北里大3.7%で、前年度と概ね同様の顔ぶれとなった。退学率1割未満は20校で、前年度より4校減少した。
国公立大18校では、退学者なしが前年度と同数の6校だったのに対して、退学者が確認された12校のうち、岐阜薬科大と名古屋市立大が共に12.1%、九州大10.0%と、1割台が3校だった。
一方、19年度入学生における標準修業年限内での薬剤師国家試験ストレート合格率を調べた結果も公表した。私立大では、前回と同様に北里大が84.2%でトップとなり、福岡大80.5%、慶應義塾大77.5%、京都薬科大75.6%、星薬科大73.8%、東京理科大73.2%、明治薬科大70.8%、近畿大70.6%、東邦大70.3%、武蔵野大70.0%と、7割台以上は10校だった。
最も低かったのは千葉科学大の14.8%で、2割台は姫路獨協大20.0%、日本薬科大21.6%、第一薬科大25.2%、城西国際大28.7%、大阪大谷大29.9%の5校だった。ストレート合格率50%を下回った大学は、前年度から1校増加した。
退学率20%を超える大学でストレート合格率50%を上回ったのは前年度と同様に徳島文理大のみで、退学率が高い大学でストレート合格率が低い傾向も続いている。
また、15年度入学生のうち、10年を超えて在籍している学生は私立大では28校で確認された。割合として、青森大6.7%、日本薬科大4.3%、福山大3.9%、岩手医科大と近畿大が各3.1%の順に高かった。
前年度のトップは3.6%であったため、今年度は上位校の数値が高い傾向が見られた。
出典:株式会社薬事日報社



薬+読 編集部からのコメント
6年制薬学部における2025年度の退学率等に関する調査結果を文科省が公表。退学率2割台の大学は10校で、前年度から2校増加しました。2025年度薬剤師国家試験のストレート合格率で50%を下回った大学は前年度から1校増の23校となっています。