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【本紙調査】移動薬局の運転手確保課題 ~ 「普免取得後5年」要件も 薬事日報社

薬+読 編集部からのコメント

災害時の医薬品供給体制を強化するため、各都道府県薬剤師会などが県と連携して災害対応医薬品供給車両(MP)の導入を進める中、運転手と駐車場の確保が課題となっています。団体によって運転手の要件に大きくバラツキがあることが分かりました。

災害時の医薬品供給体制を強化するため、各都道府県薬剤師会などは県と連携して「災害対応医薬品供給車両」(モバイルファーマシー、MP)の導入を進めているが、その体制整備で課題となっているのが運転手と駐車場の確保である。本紙の調査によると、運転手の要件は「普通免許で可」とする団体から、「普通免許取得後5年以上」「準中型免許必須」など、団体によって大きくバラツキのあることが分かった。駐車場については多くの団体が「敷地内」での確保としていたが、都道府県薬が所有する場合に県内の大学敷地内に駐車するケースも見られた。


現在、MPの導入団体は20団体を超える。東京都薬剤師会、福島県薬剤師会が今年度の導入を予定しているほか、兵庫県薬剤師会はシスメックス、新開トランスポートシステムズとの3者契約に基づき既に1台運用しているが、これをタカゾノとの協定に基づき2台体制へ拡充する意向を示している。

 

一方、災害発生時にMPを出動させるためには、派遣可能な薬剤師の確保だけでなく、車両の運転や搭載機器の操作に習熟した人員を事前に確保しておく必要がある。日本薬剤師会は、MP運用指針を公表しており、平時の取り組みとしてMP運用責任者や車両維持管理責任者の選任、派遣可能な薬剤師(MP薬剤師)のリスト作成などを求めている。

 

今年度にMP導入予定の薬剤師会担当者は、能登地震の際に車両が雪にはまり動かなくなったり、道路が寸断されていた状況を振り返り、「単に運転ができれば良いというものではなく、熟練した運転手を事前に選任しておく必要性」を強調した。

 

MPの運転手に求める条件は団体ごとに様々だった。第一薬科大学、岐阜薬科大学、宮城県薬剤師会、広島県薬剤師会はいずれも「会員または職員であること」を基本要件としていた。ただし、宮城県薬は会長の承認が必要としている。

 

三重県薬剤師会は「普通免許取得後1年以上」を必須とし、「災害支援薬剤師リスト登録者が望ましい」としていた。山梨県、徳島県、石川県の各薬剤師会は「普通免許取得後5年以上」を要件としていた。

 

熊本県薬剤師会は「年2回のMP研修受講」と「準中型免許」を条件とし、宮崎県薬剤師会は年数回実施されるMPの仕様に関する講習会を受講することを必須とした。鳥取県薬剤師会は「普通免許取得」のみを条件とし、ユヤマ、八千代市薬剤師会、和歌山県薬剤師会は特段の要件を設けていなかった。

 

福岡県薬剤師会は車両を管理する企業が運用している。広島県薬剤師会は運用に関して責任を持つ者として、災害担当役員・災害対策委員が担っている。

 

MPの駐車場所は、多くの団体が自施設の敷地内を選択していたが、一部の薬剤師会は県内の薬学部がある大学の敷地に駐車場所を確保していた。八千代市薬剤師会は市内の駐車場を利用し、鳥取県薬は隣接する歯科医師会の敷地に駐車していた。

 

運用方法についても団体ごとに特徴が見られた。八千代市薬は八千代市と連携協定を結び、今後、千葉県薬剤師会と共に講習会を実施したい考えだ。静岡県薬剤師会は静岡県立大学と共同管理体制を敷き、双方で運用が可能な仕組みを整えている。東京薬科大学は災害時に限定して薬剤師会が主体となった運用を前提とし、八王子市および八王子市薬剤師会と協定を締結している。

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出典:薬事日報

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