実際にあった! 薬剤師あるある体験談 公開日:2026.10.16 実際にあった! 薬剤師あるある体験談

 

医療に欠かせない職種でありながら、どこか影が薄いと言われてしまうこともある、薬剤師という哀しき存在……。「あるある話」を通して、もっと知ってください。私たち薬剤師のこと!

 

薬剤師は○○で患者さんを覚えている?【薬剤師のあるあるシーン#24】

 

薬剤師は○○で患者さんを覚えている?

イラスト/浅水シマ

 
私が長く勤務していたのは地域医療を支える市中病院で、都市部の専門病院で治療方針が決まった後、薬をもらうために通ってくる患者さんが少なくありませんでした。

 

その方だけのために手配する特別な薬も多いため、外来待合室で顔が見えた時、名前より先に「あ、10倍散の方だ」「投薬びんでお渡しする方だ」などと処方内容が浮かんでしまうこともしばしば。そして処方箋を見るより早く頭の中で調剤シミュレーションが始まってしまうのは、薬剤師の職業病でしょうか。

 

例えば、有効成分が微量で、はかりでは量れない薬は、乳糖などでかさ増しする「倍散」を作ります。比較的簡単な作業ではあるものの、その方専用に常備しているものではないため、姿を認めたら、混雑時でなければ早めに調剤を始めていました。

 

また、服薬の自己管理に慣れており「分包しなくていいよ」と言う患者さんには、28日分の薬を投薬びんにまとめて渡していました。これも事前準備ができると、渡すまでの時間が短く済みます。

 

名前より先に処方内容が浮かぶとしても、薬剤師がなじみの患者さんのことを覚えていて、できるだけ待たせないように先回りして対応する――地域に根差した病院ならではの風景だといえるかもしれません。

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執筆/藤野紗衣(ふじの さえ)

東北大学薬学部卒業後、ドラッグストアや精神科病院、一般病院に勤務。現在はライターとして医療系編集プロダクション・ナレッジリングのメンバー。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
ウェブサイト:https://www.knowledge-ring.jp/