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「トラクリア」に効能追加‐肺高血圧薬2件の一変了承

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が肺高血圧症治療薬「トラクリア」、肺血管拡張剤「アイノフロー」の一部変更承認を審議、了承しました。「トラクリア」は手指潰瘍の発症抑制、「アイノフロー」は肺高血圧症の改善についての効能・効果が追加されています。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は7月31日、アクテリオンファーマシューティカルズの肺高血圧症治療剤「トラクリア」、アイノセラピューティックスの肺血管拡張剤「アイノフロー」の一部変更承認を審議し、了承した。

 

〈審議品目〉

 

▽トラクリア錠62・5mg(アクテリオンファーマシューティカルズ):有効成分のボセンタン水和物を含有し、全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制の効能・効果を追加する。同剤は、エンドセリン受容体拮抗薬で、類薬にはヴォリブリス、オプスミットがあるが、全身性強皮症に伴う手指潰瘍の効能・効果を持つ既承認薬はない。

 

用法・用量は、投与開始から4週間は1回62・5mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。投与5週目から1日125mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。

 

未承認薬・適応外薬検討会議の要請品目で、希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。海外では欧州を含め世界28カ国・地域で承認されている。

 

▽アイノフロー吸入用800ppm(アイノセラピューティックス):有効成分の一酸化窒素を含有し、心臓手術の周術期における肺高血圧症の改善の効能・効果を追加する。一酸化窒素を吸入することにより、全身血圧の低下を引き起こすことなく、肺血管を拡張させる。類薬はない。

 

用法・用量は、小児については吸入濃度10ppmで吸入を開始し、十分な臨床効果が得られない場合は20ppmまで増量することができる。血行動態と酸素化の改善に従い、5ppmまで漸減する。その後さらに漸減し、安全に離脱できる状態になるまで吸入を継続する。成人については吸入濃度20ppmで吸入を開始し、十分な臨床効果が得られない場合は40ppmまで増量できる。吸入期間は7日間程度まで。

 

未承認薬・適応外薬検討会議の要請品目で、希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。海外では世界32カ国で承認されている。

 

同剤は、米アイノ社が外国製造医薬品等特例承認取得者として承認を取得しており、国内の製造販売はエア・ウォーター社が行っている。

 

〈報告品目〉

 

▽アーチスト錠2・5mg、同10mg、同20mg(第一三共):有効成分のカルベジロールを含有する降圧剤で、頻脈性心房細動の効能・効果を追加する。

 

再審査期間はなし。海外では、頻脈性心房細動の効能・効果で承認されている国・地域はない。

 

▽トレシーバ注フレックスタッチ、同ペンフィル(ノボノルディスクファーマ):有効成分のインスリンデグルデク(遺伝子組み換え)を含有するインスリン製剤に、小児用量を追加した。

 

用法・用量は、インスリン開始時の初期用量は個別に決定する。トレシーバへの切り替え用量は、1日1回0・1~0・6単位/kgを皮下注射する。他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、1日0・5~1・6単位/kg。

 

再審査期間は、残余の2020年9月27日まで。海外で小児の糖尿病に対しては、1月に欧州で承認されている。

 

▽イクセロンパッチ4・5mg、同9mg、同13・5mg、同18mg(ノバルティスファーマ)、リバスタッチパッチ4・5mg、同9mg、同13・5mg、同18mg(小野薬品):有効成分のリバスチグミンを含有するアルツハイマー型認知症治療薬。日本では、消化器系の副作用を予防するため、12週間で維持量に増量する3ステップ漸増法が設定されているが、今回、4週で維持量に増量する1ステップ漸増法の用量を追加する。

 

新たな用法・用量として、患者の状態に応じて1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる旨を追加した。

 

再審査期間は残余の19年4月21日まで。海外では1ステップ漸増法として、米国、欧州を含む92カ国で承認されている。

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出典:薬事日報

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