16年度予算案は30.3兆円‐地域包括ケア推進に2.9兆円
厚生労働省は24日、2016年度予算案の概要を公表した。一般会計の予算額は前年度比1.3%増の30兆3110億円となった。そのうち、社会保障関係費は1.4%増の29兆8631億円。医療には0.5%増の11兆5438億円を充てる。成長戦略や骨太方針の実現に振り向ける「新しい日本のための優先課題推進枠」には1191億円を確保した。
16年度予算案では、医療・介護連携の推進に2兆9387億円を計上。そのほとんどを占める2兆8724億円を地域包括ケアの着実な推進に充てる。
革新的医薬品・医療機器の創出、世界最先端の医療の実現などには825億円を計上。9月に策定した医薬品産業強化総合戦略を踏まえ、医療分野の研究開発の促進等に478億円を充てる。
その中で、オールジャパンでの医薬品創出に101億円を投入し、創薬支援ネットワークで大学や産業界と連携し、化合物ライブラリーの拡充などの新たな機能を構築するほか、既存薬の新たな治療効果のエビデンス構築による希少疾病用医薬品の開発、小児用医薬品の剤形の最適化、漢方製剤に用いる薬用植物に関する研究など、創薬基盤研究を推進する。
疾患克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクトには30億円と大幅な増額を確保。疾患発症や薬剤反応性の関連遺伝子を臨床的に検証するほか、ナショナルセンターを中心とした全ゲノム情報の集積拠点を整備するなど、ゲノム医療の実用化に向けた取り組みに36億円を投じる。
また、後発品の使用促進には7億1000万円を充て、引き続きロードマップのモニタリング等を実施すると共に、後期高齢者医療広域連合における後発品の使用促進への支援を行う。
予防・健康管理の推進等には124億円を計上。重複・多量投薬者に対して地域薬剤師会の協力を得て、薬剤師による訪問指導とその結果を処方医、薬局にフィードバックすることにより、医薬品の適正使用の推進を図る事業に4億5000万円を充てた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2016年度予算案の概要が公表されました。社会保障関係費は1.4%増の29兆8631億円。医療には0.5%増の11兆5438億円となっています。