12品目を20日付で薬価収載‐「レパーサ」に営利率上乗せ
厚生労働省は20日付で、新薬7成分12品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が2成分2品目、注射薬が2成分6品目、外用薬が3成分4品目。原価計算方式を適用した3成分のうち、アステラス・アムジェン・バイオファーマの高脂血症治療薬「レパーサ皮下注」に営業利益率10%を上乗せした。13日の中央社会保険医療協議会で了承された(表参照)
▽レパーサ皮下注140mgシリンジ、同ペン(アステラス・アムジェン・バイオファーマ):エボロクマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする高脂血症治療薬。新規作用機序を持つプロ蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に対するヒト型モノクローナル抗体で、原価計算方式で算定した。
同剤は、新規作用機序を持ち、既存のスタチンで効果不十分な患者において有効性が示されたことから、平均営業利益率のプラス10%を適用した。薬価は、140mg1mL1筒、140mg1mL1キットがともに2万2948円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数6.9万人、販売額492億円。
▽タルグレチンカプセル75mg(ミノファーゲン製薬):ベキサロテンを有効成分とする皮膚T細胞性リンパ腫治療薬。MSDの「ゾリンザカプセル100mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き下げた。薬価は、75mg1カプセル2797.90円。予測市場規模は、ピーク時の5年目で患者数300人、販売額7.2億円。
▽ベンテイビス吸入液10μg(バイエル薬品):イロプロストを有効成分とする肺動脈性肺高血圧症治療薬。持田製薬の「トレプロスト注射液200mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iにより、「ビソルボン吸入液0.2%」と「ビソルボン注4mg」の剤形間比を用いて算定した。薬価は、10μg1mL1管が2386.50円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数300人、販売額11億円。
▽ルコナック爪外用液5%(佐藤製薬):ルリコナゾールを有効成分とする爪白癬治療薬。原価計算方式の特例として、同一成分の既収載品である「ルリコン軟膏1%」「ルリコンクリーム1%」「ルリコン液1%」との規格間調整により算定した。薬価は、5%1gが997.80円。予測市場規模は、ピーク時の4年目に患者数11万人、販売額125億円。
▽プロボコリン吸入粉末溶解用100mg(三和化学研究所)・ケンブラン吸入粉末溶解用100mg(参天製薬):メタコリン塩化物を有効成分とする気道過敏性検査薬。原価計算方式で算定した。薬価は、100mg1瓶7378.30円。予測市場規模は、ピーク時の2年目で患者数1.5万人、販売額1.1億円。
▽リクスビス静注用500、同1000、同2000、同3000(バクスアルタ):ノナコグガンマ(遺伝子組み換え)を有効成分とする血液凝固第IX因子製剤。過去6年間の薬理作用類似薬の最低1日薬価を用い、類似薬効比較方式IIにより、「ベネフィクス静注用2000」と「同3000」の規格間比を用いて算定した。
薬価は、500国際単位1瓶(溶解液付)が5万7744円、同1000が11万4279円、同2000が22万6162円、同3000が33万7159円。予測市場規模は、ピーク時の6年目に患者数100人、販売額22億円。
▽ボンビバ錠100mg(中外製薬):イバンドロン酸ナトリウム水和物を有効成分とする骨粗鬆症治療薬。過去6年間の薬理作用類似薬の最低1日薬価を用い、類似薬効比較方式IIで算定した。薬価は、100mg1錠が2790円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数27万人、販売額78億円。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
20日付で新薬7成分12品目が薬価基準に収載されます。原価計算方式を適用した3成分のうち、高脂血症治療薬「レパーサ皮下注」は新規作用機序があり、既存のスタチンでは効果の見られない患者への有効性が示されたことから、営業利益率10%が上乗せされました。