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「タフィンラー」有用性加算45%‐27品目を25日付で薬価収載

薬+読 編集部からのコメント

2016年5月18日(水)の中央社会保険医療協議会総会で新薬16成分27品目の薬価収載が了承されました。欧米の診療ガイドラインで推奨されている悪性黒色腫治療薬「タフィンラーカプセル」には45%の有用性加算Iが適用されています。

厚生労働省は25日付で、新薬16成分27品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が10成分15品目、注射薬が5成分11品目、外用薬が1成分1品目。類似薬効比較方式でノバルティスファーマの悪性黒色腫治療薬「タフィンラーカプセル」「メキニスト錠」に有用性加算45%を上乗せした。18日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。


 

サブリル散分包500mg(サノフィ):ビガバトリンを有効成分とする抗てんかん薬。Meiji Seika ファルマの「ディアコミットドライシロップ分包250mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。薬価は、500mg1包が1487円。予測市場規模は、ピーク時の9年目に患者数140人、販売額2.3億円。厚労省の未承認薬等検討会議で医療上の必要性が高いと判断され、同省から開発要請されていた。

 

フィコンパ錠2mg、同4mg(エーザイ):ペランパネルを有効成分とする抗てんかん薬。グラクソ・スミスクライン(GSK)の「ラミクタール錠100mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iにより、同錠100mgと同錠25mgの規格間比を用いて算定した。外国平均価格調整により引き上げた。

 

薬価は、2mg1錠が189.70円、4mg1錠が310.20円。予測市場規模は、ピーク時の5年目に患者数7.5万人、販売額131億円。

 

シクレスト舌下錠5mg、同10mg(Meiji Seika ファルマ):アセナピンを有効成分とする統合失調症治療薬。過去6年間の薬理作用類似薬の最低1日薬価を用い、類似薬効比較方式IIにより、ヒデルギン舌下錠1mgと同錠2mgの剤形間比、ジプレキサ錠10mgと同錠5mgの規格間比で算定した。

 

薬価は5mg1錠が274円、10mg1錠が411円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数31万人、販売額385億円。

 

イムブルビカカプセル140mg(ヤンセンファーマ):イブルチニブを有効成分とする再発難治性の慢性リンパ性白血病治療薬。サノフィの「マブキャンパス点滴静注30mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iにより、フルダラ錠10mgと同静注用50mgの剤形間比を用いて算定した。同剤は、新規の臨床上有用な作用機序を持ち、海外第III相試験で有効性が認められ、治療方法の改善が客観的に示されていることから、35%の有用性加算Iを適用した。

 

薬価は、140mg1カプセルが9367円。予測市場規模は、ピーク時の4年目に患者数470人、販売額44億円。

 

ジカディアカプセル150mg(ノバルティスファーマ):セリチニブを有効成分とする進行再発の非小細胞肺癌治療薬。中外製薬の「アレセンサカプセル40mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、150mg1カプセルが6297円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数530人、販売額16億円。

 

タグリッソ錠40mg、同80mg(アストラゼネカ):オシメルチニブを有効成分とする非小細胞肺癌治療薬。日本ベーリンガーインゲルハイムの「ジオトリフ錠30mg」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより同錠30mgと同錠40mgの規格間比を用い算定した。

 

同剤は、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性の非小細胞肺癌に一定の有効性が認められ、治療方法の改善が示されていることから、5%の有用性加算IIを適用すると共に、外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、40mg1錠が1万2482.50円、80mg1錠が2万3932.60円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数2400人、販売額135億円。

 

タフィンラーカプセル50mg、同75mg(ノバルティスファーマ):ダブラフェニブを有効成分とする悪性黒色腫治療薬。中外製薬の「ゼルボラフ錠240mg」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、アフィニトール錠5mgと同錠2.5mgの規格間比を用いて算定した。

 

同剤は、全生存期間の有意な延長が示され、欧米の診療ガイドラインで第一選択として推奨されていることから、45%の有用性加算Iを適用した。

 

薬価は、50mg1カプセルが4860.60円、75mg1カプセルが7156.50円。予測市場規模は、ピーク時の3年目に患者数80人、販売額5億円。

 

メキニスト錠0.5mg、同2mg(ノバルティスファーマ):トラメチニブを有効成分とする悪性黒色腫治療薬で、タフィンラーカプセルとの併用が前提となる。中外製薬の「ゼルボラフ錠240mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iにより、アフィニトール錠5mgと同錠2.5mgの規格間比を用いて算定した。同剤も45%の有用性加算Iを適用すると共に、外国平均価格調整により引き上げた。

 

薬価は、0.5mg1錠が7731.70円、2mg1錠が2万9021円。予測市場規模は、ピーク時の3年目に患者数70人、販売額5.1億円。

 

プリマキン錠15mg「サノフィ」(サノフィ):プリマキンを有効成分とするマラリア治療薬。原価計算方式で算定した。薬価は、15mg1錠が2211.80円。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数33人、販売額204万円。未承認薬等検討会議の開発要請品目。

 

マラロン小児用配合錠(グラクソ・スミスクライン):有効成分のアトコバンとプログアニルを含有するマラリア治療用配合剤。GSKの「マラロン配合錠」を比較薬として、規格間調整により、ビブラマイシン錠50mgと同錠100mgの規格間比を用いて算定した。薬価は、1錠161.50円。予測市場規模は、初年度に患者数2人、販売額2400円。

 

ヌーカラ皮下注用100mg(グラクソ・スミスクライン):メポリズマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする気管支喘息治療薬。ノバルティスファーマの「ゾレア皮下注用150mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、100mg1瓶が17万5684円。予測市場規模は、ピーク時の9年目に患者数7300人、販売額143億円。

 

カヌマ点滴静注液20mg(アレクシオンファーマ):セベリパーゼアルファ(遺伝子組み換え)を有効成分とするライソゾーム酸性リパーゼ欠損症治療薬。同症は指定難病であるライソゾーム病の一種。原価計算方式で算定した。薬価は、20mg10mL1瓶が127万7853円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数14人、販売額10億円。

 

ゾーフィゴ静注(バイエル薬品):塩化ラジウムを有効成分とする放射性医薬品。原価計算方式で算定した。薬価は、1回分が68万4930円。予測市場規模は、ピ ーク時の7年目に患者数3000人、販売額94億円。

 

アディノベイト静注用500、同1000、同2000(バクスアルタ):ルリオクトコグアルファペゴル(遺伝子組み換え)を有効成分とする血液凝固第VIII因子製剤。過去15年間の薬理作用類似薬の平均1日薬価を用い、類似薬効比較方式IIにより、アドベイド静注用2000と同1000の規格間比を用いて算定した。

 

薬価は500国際単位1瓶が5万9372円、1000国際単位1瓶が11万0104円、2000国際単位1瓶が20万4184円。予測市場規模は、ピーク時の4年目に患者数1700人、販売額213億円。

 

コバールトリイ静注用250、同500、同1000、同2000、同3000(バイエル薬品):オクトコグベータ(遺伝子組み換え)を有効成分とする血液凝固第VIII因子製剤。過去15年間の薬理作用類似薬の平均1日薬価を用い類似薬効比較方式IIにより規格間比で算定した。

 

薬価は、250国際単位1瓶が2万6680円、500国際単位1瓶が4万9477円、1000国際単位1瓶が9万1753円、2000国際単位1瓶が17万0154円、3000国際単位1瓶が24万4197円。予測市場規模は、ピーク時の3年目に患者数1100人、販売額133億円。

 

マーデュオックス軟膏(中外製薬):有効成分のマキサカルシトールとベタメタゾンを配合した外用薬。同社の「オキサロール軟膏25μg/g」と前田薬品の「アンフラベート0.05%軟膏」他1品目を比較薬とし、新医療用配合剤の特例を適用。ただ、同軟膏はマキサカルシトール単剤の薬価を下回ったため、オキサロール軟膏25μg/gの薬価と同額とした。

 

薬価は、1gが231円。予測市場規模は、ピーク時の7年目に患者数9.3万人、販売額36億円。

 

 表:新医薬品一覧表(2016年5月25日収載予定)

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出典:薬事日報

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