不適切問題以外に誤り6問‐薬剤師国試、内容訂正など要望
日本私立薬科大学協会は、第101回薬剤師国家試験の検討結果について報告書をまとめた。受験者全員が正解扱いとなった不適切問題以外に誤りがあると判断された問題が6問あったとし、特に改善を要望する内容が含まれる問題の中には誤りに近いものもあると指摘。これらの問題出題に当たっては、内容や表現を訂正するよう厚生労働省に求めた。
報告書では、今年2月27日と28日に実施された第101回薬剤師国家試験の合格率について、「過去2回の国試に比べ、合格率が大幅に上昇して以前の水準に回復した」との認識を示しつつ、その理由を「試験問題が易しかったためではない」と判断。合格率上昇の主な要因について、必須問題で各科目の基準点が下げられたこと、一般問題で各科目の基準点が廃止されたことにあるとの見方を示した。
ただ、第101回国試は思考力を問うような良問が多かったと評価し、第102回国試でも同じレベルの出題を厚労省に求めた。複合問題についても、一部問題の複合性が問題視されたとしながらも、改善傾向が見られるとし、特に「実務」に他の2分野を複合させた4問の複合問題について「新たな試み」と評価した。
一方、第101回国試では、厚労省が不適切問題と公表した問題以外に、誤りがあると判断された問題が6問あったと指摘した。さらに、「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「法規・制度・倫理」「実務」の問題で、特に改善を要望する内容で指摘したものの中には、誤りに近いものもあると指摘。今後、これら問題の出題に当たっては、内容や表現を訂正するよう厚労省に求めた。
同協会では、全国の国公私立薬科大学・薬学部から全ての試験問題に対する評価や意見を収集した上で、担当教員が集まって最終評価を行い、その結果を報告書にまとめている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本私立薬科大学協会が2016年2月に実施された薬剤師国家試験の検討結果について、報告書をまとめました。第101回国試は思考力を問うような良問が多かったと評価する反面、厚労省が不適切問題と公表した問題以外に、誤りがあると判断された問題が6問あったと指摘しています。