新規PTCL薬が登場へ‐2品目の承認・一変を了承
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は21日、ムンディファーマの末梢性T細胞リンパ腫治療薬「ジフォルタ」の新規承認とファイザーの抗癌剤「ザーコリ」の一部変更承認を審議し、了承した。
審議品目
▽ジフォルタ注射液20mg(ムンディファーマ):新有効成分のプララトレキサートを含有する末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)治療薬。再発・難治性のPTCLを効能・効果とする。同剤は、ジヒドロ葉酸還元酵素を競合的に阻むことで、腫瘍細胞のDNA合成を阻害し、腫瘍の増殖抑制効果を発揮する。類薬には、ポテリジオ点滴静注、アドセトリス点滴静注などがある。
用法・用量は、1日1回30mg/kg(体表面積)を3~5分間かけて週1回静脈内投与する。これを6週連続で行い、7週目は休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。海外では米国を含む15カ国・地域で承認されている。
▽ザーコリカプセル200mg、同カプセル250mg(ファイザー):有効成分のクリゾチニブを含有するシグナル伝達阻害剤。今回、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の効能・効果を追加した。
同剤は、非小細胞肺癌の一種であるROS1融合遺伝子陽性が進行・再発した患者を対象とし、ROS1などの活性を介したシグナル伝達を阻害することで、腫瘍の増殖を抑える。類薬には、タキソテール/ワンタキソテール、アリムタ、タルセバなどがある。
用法・用量は、1回250mgを1日2回経口投与する。
希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。海外では、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に関する効能・効果について、世界33カ国・地域で承認されている。
報告品目
▽ゾシン静注用2.25、同静注用4.5、同配合点滴静注用バッグ4.5(大鵬薬品):有効成分のタゾバクタム・ピペラシリン水和物を含有する抗菌薬。今回、国内の診療ガイドラインで潰瘍や創面などの二次感染の重症例および壊死性筋膜炎に対して使用が推奨されていることなどを踏まえ、効能・効果と用法・用量に「深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染」を追加した。再審査期間はない。海外では106カ国で承認されている。そのうち、米国や欧州を含む99カ国で皮膚軟部組織感染症に関連する効能が認められている。
▽カイプロリス点滴静注用10mg、同点滴静注用40mg(小野薬品):有効成分のカルフィルゾミブを含有する多発性骨髄腫(MM)治療薬。これまで用法・用量として、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの3剤併用療法のみを記載していたが、新たにデキサメタゾン併用療法の投与日数と投与量を用法・用量に追加した。これにより、レナリドミドとの併用で忍容性に問題がある患者に対して、デキサメタゾンとの2剤併用が可能となる。
再審査期間は残余の2026年7月3日まで。海外では、MMに対するデキサメタゾンとの2剤併用に関する用法・用量が43カ国・地域で承認されている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2017年4月21日、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は末梢性T細胞リンパ腫治療薬「ジフォルタ」の新規承認と、の抗癌剤「ザーコリ」の一部変更承認を審議、了承しました。その他、2つの報告品目があります。