アトピーに初の抗体医薬‐「エンブレル」後続品を報告

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は6日、サノフィのアトピー性皮膚炎治療薬として初の抗体医薬「デュピクセント皮下注」など4件の承認を審議し、了承した。また、持田製薬のTNF阻害薬「エンブレル」を先行品とするバイオ後続品「エタネルセプトBS皮下注用」の承認など3件の報告を受けた。

審議品目

▽デュピクセント皮下注300mgシリンジ（サノフィ）：新有効成分のデュピルマブ（遺伝子組み換え）を含有するヒトIgG4モノクローナル抗体。既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能・効果とし、アトピー性皮膚炎治療薬として初めての抗体医薬となる。

用法・用量は、600mgを投与初日に1回皮下投与し、その後は300mgを2週に1回皮下投与する。最適使用推進ガイドラインの対象品目で、再審査期間は8年。海外では、米国で中等症から重症のアトピー性皮膚炎治療薬として3月に承認され、欧州では10月に承認されている。

▽ネイリンカプセル100mg（佐藤製薬）：新有効成分のホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物を含有し、爪白癬を効能・効果とする。類薬には、イトリゾールカプセル、ラミシール錠などがある。

用法・用量は、1日1回1カプセル（ラブコナゾールとして100mg）を12週間経口投与する。再審査期間は8年。海外では承認されていない。

▽テセントリク点滴静注1200mg（中外製薬）：新有効成分のアテゾリズマブ（遺伝子組み換え）を含有する抗PD-L1抗体。切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能・効果とする。類薬には、オプジーボ、キイトルーダなどがある。

用法・用量は、1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分まで短縮できる。最適使用推進ガイドラインの対象品目で、再審査期間は8年。海外では、非小細胞肺癌の効能・効果で世界13カ国・地域で承認されている。

▽アレサガテープ4mg、同8mg（久光製薬）：有効成分のエメダスチンフマル酸塩を含有する、アレルギー性鼻炎治療薬のテープ剤。1日2回投与だった既承認の経口剤に対し、1日1回貼付するテープ剤として利便性を高めた。

用法・用量は、1回4mgを胸部、上腕部、背部または腹部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える。再審査期間は6年。海外で開発されていない。

報告品目

▽アディノベイト静注用250、同500、同1000、同2000（バクスアルタ）：有効成分のルリオクトコグアルファペゴル（遺伝子組み換え）を含有する血液凝固第VIII因子製剤。新たに12歳未満の小児における用法・用量を追加した。

今回追加された用法・用量は、12歳未満の小児に1回体重1kg当たり40～60国際単位を週2回投与するが、患者状態に応じて1回体重1kg当たり80国際単位を超えない範囲で増量できる。

再審査期間は、残余期間の2024年3月27日まで。海外では12歳未満の小児適応が米国、スイス、オーストラリア、コロンビアで取得されている。

▽キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg（MSD）：有効成分のペムブロリズマブ（遺伝子組み換え）を含有する抗PD-L1抗体。新たに再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫の効能・効果を追加した。

用法・用量は、1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する。再審査期間は残余期間の22年10月18日まで。海外では34カ国・地域で承認されている。

▽エタネルセプトBS皮下注用10mg「MA」、同25mg、同25mgシリンジ0.5mL、同50mgシリンジ1.0mL、同50mgペン1.0mL（持田製薬）：有効成分のエタネルセプト（遺伝子組み換え）を含有する先行品「エンブレル皮下注用」のバイオ後続品。既存治療で効果不十分な関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎を効能・効果とし、先行品が取得している全ての効能・効果、用法・用量となっている。