次期会頭に高倉氏を承認‐海外会員を新設、国際化推進
日本薬学会は25日、金沢市内で代議員総会を開き、2019~20年度の次期会頭に副会頭の高倉喜信氏(京都大学大学院薬学研究科教授)が就くことを承認した。任期1年の18年度新任副会頭としては来年3月20日から千葉市で開く第139年会の組織委員長を務める牧野公子氏(東京理科大学薬学部教授)を選出。新たな会員区分として海外会員を設置することも承認した。
あいさつした現会頭の奥直人氏(静岡県立大学薬学部教授)は「会頭になって1年間様々なことを考えながら取り組んできた。次の1年は、もう少し変えられるところがあれば、みなさんの意見を聞きながら変えていきたい」と言及。「薬学に属する方々が研究、教育、創薬など様々な分野で活躍するために薬学会は何をできるのか、どういうことをサポートできるのかを考えながら、少しでも役立つ薬学会にしていきたい」と語った。
総会では17年度決算のほか、海外会員を新設する定款の一部変更が承認された。海外の研究者らが日本薬学会の会員になりたくなるようなメリットと仕組みを考え、新たな観点から国際化を進める計画だ。
18年度の事業計画、予算も示された。18年度は引き続き、▽学術研究・教育活動の推進▽学会情報の配信▽他機関との交流協力とグローバル化の推進▽学会基盤の整備・確立――を主な柱として事業を展開する。18年度予算の経常収益は10億8701万円、経常費用は10億3676万円。
学会活動の核となる学術3誌の発行を継続すると共に、生物系オープンアクセス・オンラインジャーナルの発刊に向けて準備を進める。人材育成の場となる部会活動や、会員と日本薬学会の接点となる支部活動にも力を入れる。
4年制博士課程への進学促進を主目的に必要な費用を支援する「長井記念薬学研究奨励支援事業」は18年度も継続。年間4200万円の資金を投じる。
会員増強にも取り組む。年間約500人ずつ会員が減少しており、対策が急務になっている。関係部署との連携を図って積極的な対策を検討したり、賛助会員にとって魅力ある学会になるように既存の優遇制度の見直しを進める計画だ。
総会ではこのほか、遠藤玉夫氏を名誉会員候補者として承認した。総会後は薬学会賞、学術貢献賞、学術振興賞、奨励賞など各賞の授与式が行われた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本薬学会の、次期会頭が確定しました。
2019年から2020年の会頭は、高倉喜信さん。現在の副会頭で、京都大学大学院薬学研究科教授です。
新副会頭は、牧野公子さん(東京理科大学薬学部教授)となりました。